問い合わせ経由で質問をいただきました
7月28日の記事『糖質制限食も9年目に ~体重の推移~』 と,
7月30日の記事『糖質制限食も9年目に ~カロリー計算~』の記事で
– 直近の体重と28日移動平均体重とを比較して
– 体重はほぼBMI=21~22に維持しているとあるのは,具体的にどうしているのかという ご質問です.
唐突に株式投資の話です
株の売買をやっておられる方なら よくご存じのことですが,株の値動きのチャートを見て,「売り時」「買い時」の判断材料にする 『ゴールデンクロス』 ,『デッドクロス』 という株式用語があります.
ご覧のように,日々値動きのある株価の 一日ごとの株価上昇・下落に目を奪われるのではなく,長期傾向と短期傾向とを見比べて,
- 長期的には値下がり傾向にあった株価が,直近の動きを見ると上昇に転じた=ゴールデンクロス
- 長期的には値上がり傾向にあった株価が,直近の動きを見ると下降に転じた=デッドクロス
という指標です.風向きの変化を敏感に読み取って上昇のきっかけならば,「買い」に,下降の兆しならば「売り」に転じようというわけです. まあこれで必ずもうかるのならば,皆そうするわけで(*)必ずしも盲信していいものではないですが.
(*) したがって,『ゴールデンクロスをにつられて買う人が多くなるだろう』とよんで,「売り」に回る『逆張り』という手法もあります.
体重のコントロールにも使えます
しかし,『長期傾向と短期傾向とを見比べて変化の兆しをつかむ』,この考えはむしろ体重コントロールにこそ有効だと思います.
毎日 一定の時刻に同じコンディションで体重を記録していても,実際には日々の体重は,その時の体水分率変化の方が大きく,昨日と比べてたった1日で体重が1kg以上変化することは珍しくありません.
これでは 今自分の体重は増えつつあるのか減りつつあるのか,それとも変化していないのか,まるでわかりません.
そこで株価のチャートと同じように,
長期の移動平均曲線(私の場合は 本日より過去28日の平均値)【赤】
短期の移動平均曲線(私の場合は 本日より過去7日の平均値)
【青】
をグラフに書かせてみると;
こうすると,株価のチャートと同じように,
- ゴールデンクロス → 体重は増加傾向に転じた
- デッドクロス → 体重が減少傾向に転じた
と判断できます.
そこで,上昇傾向なら ややカロリーを減らし,減少傾向ならわずかにカロリーを増やすことにしています.
「今日は XXXカロリーだったはずだから,明日は YYYカロリーにしよう」などと,カロリーの絶対値は考慮しません. 以前の記事にも書いた通り,カロリーの正確な把握などは不可能だと思っているからです.よって「昨日より減らす」か「 昨日より 増やす」という,差分だけを考えています.
アクセル/ブレーキは脂質で
で,カロリーの増減制御には脂質の増減で対処しています.糖質制限食なので,チーズ・オリーブ油などの摂取は多いのですが,これらは カロリー密度(食品の重量当たりのカロリー)が高いので,食事のボリュームはほとんど変えずにカロリーを微調整するのが可能だからです.
出張などで移動が続いた時には,カロリー消費を読み違うことはありますが,おおむねこれで体重はコントロールできております.
以上 ご回答申し上げました[株主総会にて,株主からの質問に回答した役員の決まり文句です].
コメント
2年ほど、毎日欠かさず3食の記録と体重はつけてましたが、移動平均作ってはみたものの、クロスまではチェックしてなかったです・・・
ぬかった・・・
今度掘り起こして見てみようかな、とちょっと思った次第です。
移動平均の長期と短期をそれぞれ どう設定するかは,いろいろ試行錯誤しました.
多分 人によって違うのでしょうね.
体重管理に関する大変参考になる記事をご掲載下さり有難うございます。
当方は糖質制限ビギナーで、貴サイトの他の記事も拝読し勉強させていただいております。
今後とも学ばせていただければ幸いです。感謝致します!
本ブログに目を留めていただき ありがとうございます.
もともとこのブログは,長年にわたって集めてきた糖尿病関係の医学文献を 整理することが目的でしたので,どうしても カタい内容になることが多いです.
別館ブログでは,もう少しくだけた雰囲気ですので,お立ち寄りください.
有難うございます。別館ブログにも学びに寄らせて頂きます!