2022-04

EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-7

メタアナリシス(メタ解析)のエビデンスレベルはもっとも高い これは どの本にも書いてあります.しかしだからと言って,すべて正しいとは限りません. インチキなメタ解析も実際には存在します. さらに メタ解析の結論を そのまますべての患者に無条...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[13]

ケトン体は有効な薬物になりうる,特に心臓・腎臓にとって有効な薬となる可能性が明らかになってきました.ただし,現時点では まだケトン体を応用した薬剤は開発中ですので,ケトン体を薬として用いるには SGLT2阻害薬によって,体内のケトン体合成を...
EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-6

ランダム化比較試験は,厳格な手順で極力 バイアス(=偏向)を排除します. しかし,それでも偶然の女神様には勝てません. ご興味のある方はご覧ください.
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[12]

治療薬としてのケトン体 ケトン体が,単なる代替エネルギーだけでなく,もちろん『脂肪の燃えカス』でもなく.生理活性も持つ ,しかも 心臓や腎臓には有用な作用を示すとなれば,ケトン体を治療手段として積極的に用いることは当然 期待されます. 実際...
EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-5

新聞やテレビで『臨床試験ですばらしい結果が見られた』というセンセーショナルな報道を よく見かけます. しかし,それは臨床試験全体のことなのか,それとも臨床試験から(都合のいいところだけ)一部だけを切り出した『サブグループ解析』なのかをよく見...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[11]

ここまでの話をまとめますと, 従来 ケトン体は非常時の(=飢餓状態などの)間に合わせエネルギー源と考えられてきた.しかし最近は 生命の維持に関わる臓器(=心臓,腎臓)にとって重要なエネルギー源とわかってきた. ここで エネルギー源とは,細胞...
EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-4

薬物や治療の効果を評価する臨床試験は,ほとんどの場合 厳密な手順に従った比較試験が行われます. それは 意図的な,又は意図しなくても偶然に発生するバイアス(=偏向)を排除するためです. ご興味のある方はご覧ください.
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[10]

働き者の腎臓 (C) ケヴィン さん 腎臓は 体内で生じた老廃物を尿として排泄してくれる,大事な掃除屋さんです.腎臓は365日年中無休,しかも毎日が 24時間勤務というブラック環境です. 上図の糸球体は細かい血管がビッシリと球状に詰まったも...
EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-3

『観察研究』とは,多数の患者を長期間にわたり追跡して,特定の病気に罹るのはどのような人なのかを調べるものです. 医学・統計学の専門家が協力して行います. この手法と,結論のわかりやすさから,しばしば新聞でも大きく取り上げられます. しかし,...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[9]

使えるものは何でも使う 心臓は 人が生まれてから死ぬまで,一瞬たりとも休まず 1日にタンクローリー1台分の血液を送り出しています. (C) キリン904 さん 心臓は筋肉の塊のような臓器です.しかも寝ている時ですら動いています.寝ながら筋ト...
EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-2

『こういう患者に こういう治療を行ったら, こういう結果になりました』という『症例報告』はエビデンスレベルが低いとされています. それはその症例が誰にでも当てはまるのか,つまり『普遍性』が不明だからです. しかし,事実をベースにしているので...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[8]

このシリーズは,第24・25回日本病態栄養学会で紹介された医学文献に沿って,『ケトン体が危険と言うのは間違い. それどころか人体には必須で有用なものである』という趣旨で書き進めております. ここまでのところで,本館の『お問い合わせ』 及び ...
EBM

[別館記事更新] 自分にとって最上のエビデンス-1

エビデンスとは,日本語で『証拠』とも訳せるので,『結論が出た』と誤解されやすいです.というか,その『有無を言わせぬ決定的証拠』という語感を利用して,反対意見を封じるために使われることもあります. それは本当に正しいのでしょうか. そして 自...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[7]

前回記事にも書いたように,前日の夕食から翌日の朝食 までの 飢餓状態とはいえないような短時間の絶食でも,血中ケトン体は上昇します.私は特別厳格な糖質制限食をしているわけではありませんが,それでも前日の糖質摂取が少なかった翌朝は,血中ケトン体...
血糖値

[別館記事更新] まったく同じ 糖負荷試験結果

現在のガイドラインが定める 糖尿病診断方法では,まったく異なる原因で血糖値が上がっている二人の患者を,『同じ状態』であると診断される可能性があります. わかりやすくするために極端な例を出しましたが,グルカゴンを測定していない現在の診断基準で...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[6]

ケトン体は飢餓状態,つまり人体の非常事態の時のみ作られる代替エネルギーである という情報はまだまだ多いです.これではまるで,ケトン体は キッチンの隅っこに置いてある消火器のような扱われ方です.非常時には使われるが,普段は 使われていないとい...
血糖値

[別館記事更新] ふらつきを見よう

1年前と今とでは,糖尿病はよくなっているのか変わっていないのか. これを医師は HbA1cの推移で判断します. しかし HbA1cは 血糖値の平均値の指標(しかも平均値と完全に対応しているわけではありません)ですから,血糖値の乱高下があって...
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[5]

前の記事で; ケトン体が作られる場所は,ほぼ肝臓のみです.そして 血管を介して多くの臓器にエネルギー源として送られます. と書きました.しかし主要臓器でありながら,ケトン体をまったく使わない臓器があります.それは肝臓です. なんと肝臓は ケ...
その他

[別館記事更新] 思いこみ

人は(私も) いったんこうだと思い込むと,その思考のくびきからは なかなか逃れられません. ご興味のある方はご覧ください.
病理

ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[4]

前回は,ケトン体は,脂肪酸を切り分けた アセチルCoAを原料として作られるという話でした. ただし,その製造場所は肝臓の細胞の中のミトコンドリアの中(より正確には ミトコンドリアの内膜の中のマトリクス)です.そして消費される場所は,各臓器の...