教科書

[カバーイラスト (C) 教育出版]

今我が家には 『教科書』が何冊もあります.

(C) 丸善
(C) 西村書店
(C) 医学書院
(C) 朝倉書店

すべて頁数よりも むしろ kgで表した方が適切な,分厚く重い本ばかりです.

ド素人が,無謀にも 糖尿病に関する医学文献を読みこなそうとすると,どうしても必要になるので 買い集めたものです.

いくら定説は覆されるとは言っても,その定説すら知らないのであれば,ともかく不明な言葉,理解できない論述にでくわしたら,やはり教科書を参照せざるを得ません. もっとも そういう理由なので,何も最新版である必要はなく,ほとんどが 神保町の古本屋をブラついて見つけたものです.これらをリュックにズシリと詰めて自宅に持ち帰る時には,大阪市山岳会時代に鍛えた足腰がモノを言います.

小学校から大学までに使っていた教科書は 全部捨ててしまったのに,今 医学の教科書だけが手元にあるというのも 実に皮肉です.

ただし,学生時代には,教科書とは 詰め込むべき知識が並んでいる無味乾燥なものでした.ただそれだけ.

しかし,今 これらの教科書は,どちらかといえば 読み物として味わいつつ読めるから不思議です. 記憶することを強制されていないからでしょうね.『なぜそうなるの?』『ここを知りたい』と思って読むからでしょうか(←学生時代もそうすべきだったのに ← 今さら遅いわ)

ですので,糖尿病の 比較的短めな論文であっても,わからない用語が出てくるたびに これらの教科書にあたるのですが,一つの用語を調べると,もっとわからない用語が出てきて,更に それを調べると..という芋づる状態.

で,そのたびに索引から該当のページを探すのですが,これがまた大変. なにしろ 本全体がkg級なので,本の末尾にある索引を開くだけでも相当の腕力が要求されます. 教科書筋トレですよ,これは.
一つの単語を索引で探し,該当頁を見ると さらに謎の単語が出てきて,これを索引で探すと...と,その繰り返し.

あまりにも索引で探すことが多いので,すべての教科書の索引だけを別途コピーして製本しておき,単語を調べる時には,まずこの『索引集』にあたって該当頁をメモすることにしました.これでかなり重量本との格闘は楽になります.

  ただし 最近の問題は,この索引集すらかなりの頁数になってきたことです.索引だけなのに,すでに200頁を越えています.医学生って ほんとにこれを全部覚えているのでしょうか.

また 医師を名乗られている方々をネットでみかけますが, この人 本当に教科書を読んだのだろうかと不審に思うことがあります. 『教科書にはこう書いてあるが,私はこう考える』なら 理解できますが,そもそも全然読んでいないんじゃないかと思うことも.

  

  

コメント

  1. 西村典彦 より:

    私も「ハーパー生化学」は同じ版のものを持っています。整形系の「ケンダル 筋:機能とテスト」とか循環器系「イラストで学ぶ心臓ペースメーカー」、特殊なものでは「GIST診療ガイドライン」など、どう考えても一般人が買わない類の医学書を持っていますが、その都度必要に駆られて購入したものです。
    特に妻は病気のオンパレードで子宮筋腫で全摘を始め、2度の失神で心臓ペースメーカー装着、その後10万人に1人の希少がんであるGISTで胃の一部摘出(現在も10年の経過観察中)とまぁ、何度もヒヤヒヤさせてくれましたが、その度に不死鳥のように何事もなかったかのように生還してピンピンしています。多分、年齢を考えると普通の人より遥かに元気です。
    病気(最終的には院内感染)で父を亡くしてから自分に知識がなく、医師に言われるがままの医療を受けさせた事を悔やみ、それ以来、自分で納得できる医療を自ら選択するために医学書を読むようになりました。SpO2計は随分前から持っており、診断方法などの知識も勉強していたおかげで妻の命を救ってくれました。投資した時間とお金には変え難いものを得ることができて本当によかったと思います。

    因みに私も学生時代の教科書は全く持っていませんwww

    • しらねのぞるば より:

      >「GIST診療ガイドライン」

      こんな ガイドラインがあるのですね. 医学書専門書店でも見かけたことはありません.

      >医師に言われるがままの医療

      別に 医師を言い負かそうとして 教科書を読んでいるわけではないのですが,どう見ても教科書知識すらない『医師』がいたので,自分で基礎情報を確認することにしたのです.

      「糖質を摂らないと筋肉にエネルギーが補給されず,動けなくなる」という『スポーツ専門医』や,インスリンと血糖値との関係を完全に勘違いしている『日本人の遺伝的体質 専門家』などは,教科書の初歩的情報と矛盾したことを言っていることにまるで気がついていないようです.

  2. highbloodglucose より:

    学生時代の教科書で残しているのは、やっぱり生化学ですねぇ。生物系の講義は教科書の指定がなく、教官がプリントを配るパターンがほとんどだったので、捨てるもなにも、残すものがそもそもありませんw ただ、教科書指定ではないけれど、分子生物学を学んでいる者にとってはバイブルとされる「The Cell(細胞の分子生物学)」は、日本語訳の第2版と、その後に原著の第3版を購入して、どちらも今も本棚にあります。あと、理化学辞典、生物学辞典、生化学辞典、ステッドマン医学大辞典といった、枕に最適サイズの辞典類も本棚に並んでいます。もう随分古くさくなってしまったし、滅多に見ることもなくて、本棚を占領して邪魔なのだけれど、なんだか捨てられません。捨てるのはいつでもできますもんね。
    一方、教養で受けた数学系、物理系、化学系の講義で購入した教科書は、不要になった瞬間に捨てましたw  あと処分したのは、Merck IndexやMolecular Cloning、実験プロトコール的なものですね。

    大学以前に使った教科書類はほとんど捨てましたが、地図と国語便覧だけは残しました。古い地図って、あとから見るとなかなか興味深いです。また、高校で使っていた国語便覧は簡単な資料集として魅力的だったので残しました。
    それ以外の教科書は、進級と同時に瞬時に捨てていました。
    小学5年生の春だったでしょうか、道徳の副読本が配られたのですが、一度も使わないまま新学年になりました。なので、「無駄な物を配りおって!」と憤慨しながら他の教科書と一緒に捨てました。そしたら、ある日、教師が「去年、○○という副読本を配ったと思います。明日はこれを持って来てください」と言うじゃないですか! まさか、前年に配って1年間使わなかった物が必要になるとは思っていなかったので困りました。
    こういうの、全部タブレットに入っていれば、もし間違ってファイルを捨てても、またファイルを配布すれば済むし、教科書持ってくるの忘れた〜とかもなくなるのにね(タブレットを忘れたら知らないけどw)。

    • しらねのぞるば より:

      >「The Cell(細胞の分子生物学)」

      日本語第6版を本屋で見ました. 圧倒されました. 頁数にも厚さにも重さにも. 何よりその内容に 気が遠くなりました. なので,そのまま敬礼して Uターンしましたw

      >理化学辞典

      糖尿病の文献を読み始めた頃は,理化学辞典と南山堂の辞典だけで頑張っていたのですが,どうにもラチがあかないので,専門教科書を集め始めました.

      >古い地図って、あとから見るとなかなか興味深い

      私も なぜか 山川出版の世界史・日本史 地図だけは残しています. 古代史への興味は捨てきれなかったからです.

  3. かかか より:

    素晴らしいですね!いくつなっても勉強はいいですね。本は重いけど、頭に入ってしまえば軽いですからね。
    私は勉強は苦手でしたが、好きなチェッカーズの曲の英語の歌詞を、きちんと発音して意味も理解して歌いたいため、そこは意欲的に辞書を活用していました。

    学校の授業を比較的理解できているときは辞書もあまり抵抗はなかったですが、分からない箇所が増えてくると、調べた事に対してさらに掘り起こす作業が重なり、それがあちこちで発生するため、どんどん勉強が苦手になりました。もうお手上げになってしまいました。

    • しらねのぞるば より:

      >頭に入ってしまえば軽い

      そうなのですけど,問題は なかなか頭に入らないことでしてw

      >調べた事に対してさらに掘り起こす作業

      結局 知識を単なる知識として頭に詰め込むのではなく,何かを体系的に理解しようとすると,必ず そうなるはずですね.医学に限りませんが,縦割りにした「科目」別ではなく,関連性を持った1setの「体系」として教えれば,生徒も理解しやすいと思うのですが.もっとも その場合 教える方の負担は膨大になりますが.

      私が 工学部学生時代に一番 頭に入ったのは統計学でした.品質管理の具体例を題材にした演習などもあり,現実世界と学問がつながっていたからです.

      • かかか より:

        統計学は面白そうですね。見える化でいろんな発見がありそうですね。

        >縦割りにした「科目」別ではなく,関連性を持った1setの「体系」として

        世界史はそれができると、格段に面白くなりそうです。私は大の苦手でしたが。
        まず世界地図が頭に入っていない。英語=カタカナが苦手。その状態で、各国の情勢を同時進行で整理する。統一と分裂をくり返す。人の名前カタカナばっかり。
        世界史を楽しむには、程遠い状態でした。

        • しらねのぞるば より:

          >各国の情勢を同時進行で

          今はどうだか知りませんが,私の高校時代には世界史とはいっても,まず西洋史,それが一段落したところで東洋史,これをくり返していました.ですので世界の同時代の様子がさっぱりつかめませんでした.
          しかも あの頃の世界史は西洋史と東洋史だけで,それ以外の地域は『周辺・辺境』として扱われていました.ところが旧世界では実はユーラシア北方遊牧民族はメインプレーヤーだったのです.

          https://ameblo.jp/shiranenozorba/entry-12643761542.html

          6世紀に中国北方を支配した突厥とはTuruk, つまりトルコだったと知った時には驚きました.