日本糖尿病学会の食事療法ガイドライン改訂はどうなった[1]

もともとSGLT2阻害薬についての連投記事 [1] [2] [3] [4] [5] は,この記事の前置きのつもりでしたが,その前に日本人の標準的な消費カロリーに触れざるをえず,では その正確な測定法はどうなのかなどとなり,結局 あそこまで爆走してしまいました.この記事が 本題です.

今年5月の日本糖尿病学会で

本年5月 仙台で開催された 第62回日本糖尿病学会 年次学術集会 で,予定されていた 糖尿病診療ガイドラインの改訂発表が延期されたことは,この記事でご報告しましたが,その際 学会は『ガイドラインの改訂は夏頃まで延期する』とアナウンスしていました.

しかし,もう夏も終わろうかというのに,新ガイドラインは一向に発表されません.

夏の終わり 夏の終わりには ただ貴方に会いたくなるの

森山直太朗
(C) ユニバーサル J

糖尿病患者の基礎代謝なんて低いに決まっている

そもそも,学会は長年 糖尿病患者は,食品交換表に記載の『カロリー制限食』を絶対守らなければならないと力説していました.

つまり,身長 170cmの人ならば,その「標準体重」は 63.6kgであり,現在の体重が80kgだろうが100kgだろうが,それとは無関係に 1600~1900kcalの食事にすべし,と規定していたのです.

この考えの背景には,2型糖尿病患者は その怠惰な生活習慣から,運動もせず基礎代謝は低いくせに過食するから糖尿病になったのだという決めつけがあります.

ひどい言い方ですが,これは私が誇張しているのではなくて,実際に学会公式の席上でもそう表明されています.

本当に『糖尿病患者の基礎代謝は低いに決まっている』のでしょうか.

[2]に続く

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