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グルコキナーゼ[3] 解糖系とヘキソキナーゼ

解糖系グルコースをエネルギーとして利用するには,細胞質内部だけで行える『解糖系』と,解糖系の産物であるピルビン酸を更にミトコンドリアの『クエン酸回路(TCA)』で燃焼させる経路とがあります.グルコース 1モルを完全に燃焼させると 674kc...
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グルコキナーゼ[2]

キナーゼと聞くとグルコキナーゼは 『グルコ』+ 『キナーゼ』です.キナーゼというからには 酵素の仲間なのでしょうね.話がそれますが,この『キナーゼ』という言葉を聞くと,すぐに 『ナットウキナーゼ』を思い出して 背筋が寒くなります.なぜなら ...
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グルコキナーゼ[1]

朝寝坊!時計を見てビックリ! しかし 急げば遅刻にはならないと いつもの道を車で走る.この道路は 制限速度 60km/hだが,少し 飛ばし過ぎかな? と思い 速度計に目をやると;(C) 旅人0715 さんなんだ,気のせいか. 焦ってるからな...
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[別館記事更新] eGFR[続] すばらしすぎる値

eGFR は,血中クレアチニン値から腎機能を簡易に評価するものです.この値が低いと腎症が疑われます.では,eGFRは高ければ高いほどいいのでしょうか?高齢者(65歳以上)の場合は 必ずしもそうだとは限りません.ネットには eGFRを計算して...
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[別館記事更新] eGFR

腎機能を評価するeGFRは,健康診断などでも検査結果が示されます.しかし,この指標は 先頭にe(=Estimated;推定)がついていることからわかるように,あくまでも推定指標であり真のGFRの確定値ではありません.クレアチニンが正常値付近...
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[別館記事更新] Fib-4 Index

HbA1cと平均血糖値との関係式の記事でも述べたように,帰納数式というものは 実データから導き出されたものです. しかし その数式を問答無用で すべての個人にそのまま当てはめようとするとおかしなことになります.肝臓の線維化進行リスクを判定す...
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第65回日本糖尿病学会の感想[12] インシリコって何?

【この記事は 第65回日本糖尿病学会 年次学術集会に参加したしらねのぞるばの 手元メモを基にした感想です. 聞き間違い/見間違いによる不正確な点があるかもしれませんが,ご容赦願います】薬物実験の論文を読んでいると,"in Vivo" と "...
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第65回日本糖尿病学会の感想[9] 糖尿病性神経障害

【この記事は 第65回日本糖尿病学会 年次学術集会に参加したしらねのぞるばの 手元メモを基にした感想です. 聞き間違い/見間違いによる不正確な点があるかもしれませんが,ご容赦願います】今回の学会では,教育講演とシンポジウムとで,糖尿病神経障...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[16完]

ケトン体について,軽く 経緯と現状をまとめるつもりで始めたこのシリーズでしたが,文献を見ていくと 特に2015年以降,怒涛の如く報告文献がほとばしり出ていて,しかもそれらすべてが興味深いものばかりだったので,ついつい深入りしてしまいました....
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[15]

悪魔から天使にケトン体は 昔から有害物と思われてきました. 糖尿病でケトアシドーシスを起こした人の血液から 高濃度で検出されるからです.たしかにケトン体は(アセトンを除いて)アセト酢酸やβーヒドロキシ酪酸という有機カルボン酸,つまり酸性物質...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[14]

なぜケトン食がてんかんに効くのかてんかん発症機構は,脳腫瘍・外傷など原因が明らかなものを除いては不明です.ただ何らかの原因で大脳神経細胞(ニューロン)間の異常な信号のやりとりが継続してしまい,これはパソコンで言えばCPUが暴走してハングアッ...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[13]

ケトン体は有効な薬物になりうる,特に心臓・腎臓にとって有効な薬となる可能性が明らかになってきました.ただし,現時点では まだケトン体を応用した薬剤は開発中ですので,ケトン体を薬として用いるには SGLT2阻害薬によって,体内のケトン体合成を...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[12]

治療薬としてのケトン体ケトン体が,単なる代替エネルギーだけでなく,もちろん『脂肪の燃えカス』でもなく.生理活性も持つ ,しかも 心臓や腎臓には有用な作用を示すとなれば,ケトン体を治療手段として積極的に用いることは当然 期待されます.実際 S...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[11]

ここまでの話をまとめますと,従来 ケトン体は非常時の(=飢餓状態などの)間に合わせエネルギー源と考えられてきた.しかし最近は 生命の維持に関わる臓器(=心臓,腎臓)にとって重要なエネルギー源とわかってきた.ここで エネルギー源とは,細胞の火...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[10]

働き者の腎臓(C) ケヴィン さん腎臓は 体内で生じた老廃物を尿として排泄してくれる,大事な掃除屋さんです.腎臓は365日年中無休,しかも毎日が 24時間勤務というブラック環境です.上図の糸球体は細かい血管がビッシリと球状に詰まったものです...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[9]

使えるものは何でも使う心臓は 人が生まれてから死ぬまで,一瞬たりとも休まず 1日にタンクローリー1台分の血液を送り出しています.(C) キリン904 さん心臓は筋肉の塊のような臓器です.しかも寝ている時ですら動いています.寝ながら筋トレでき...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[8]

このシリーズは,第24・25回日本病態栄養学会で紹介された医学文献に沿って,『ケトン体が危険と言うのは間違い. それどころか人体には必須で有用なものである』という趣旨で書き進めております.ここまでのところで,本館の『お問い合わせ』 及び 別...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[7]

前回記事にも書いたように,前日の夕食から翌日の朝食 までの 飢餓状態とはいえないような短時間の絶食でも,血中ケトン体は上昇します.私は特別厳格な糖質制限食をしているわけではありませんが,それでも前日の糖質摂取が少なかった翌朝は,血中ケトン体...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[6]

ケトン体は飢餓状態,つまり人体の非常事態の時のみ作られる代替エネルギーであるという情報はまだまだ多いです.これではまるで,ケトン体は キッチンの隅っこに置いてある消火器のような扱われ方です.非常時には使われるが,普段は 使われていないという...
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ケトン体は『飢餓時だけに生成される非常エネルギー』なのか[5]

前の記事で;ケトン体が作られる場所は,ほぼ肝臓のみです.そして 血管を介して多くの臓器にエネルギー源として送られます.と書きました.しかし主要臓器でありながら,ケトン体をまったく使わない臓器があります.それは肝臓です.なんと肝臓は ケトン体...