理想の膵臓β細胞は
- 血糖値が上昇するとインスリン分泌を増やすが,無限にインスリンを分泌できるわけではなく,どこかで上限に達する [Max.]
- 血糖値が低いときは,インスリン分泌を最小限に抑える [min.]
- しかし,その間の範囲では,血糖値に正確に比例したインスリンを分泌する
そう考えて この理論曲線を描きました.
スーパー正常な膵臓
そしてまさにこの理論通りのグラフを描くのが,納先生のHPに掲載されている No.14とNo.23の二人です.特に No.23の20歳代男性は,血糖値上昇が小さいので,元のグラフでは目立ちませんでしたが,正規化したこのループグラフで見ると,
驚くべきことに,冒頭にあげた『理想的な』曲線とほぼ同じです.
つまり,これこそが『正常人の基準』と考えていいでしょう.
そこで,これを分類の原点として 他の人の傾向を考えていきます.
[8]に続く
コメント
一昨日、人体のホメオスタシスはは血糖値を83前後に維持しようとしているのではないかと言う投稿をしました。
それが正しいとすれば、何をどれくらい食べようが、血糖値が83から上にも下にも動かないのが理想という事になります(本当はどうかわかりません。血糖値をわざと上げたり下げたりすることに意味があるのかもしれません)。
要するに、糖質摂取後血糖値が時間と共に上昇し、それによってインスリン値も上昇するのは、タイムラグがあるからだと解釈しました。
インスリン抵抗性も関与しているかもしれませんが、それは抵抗性に応じた量のインスリンを分泌すれば血糖値を一定に保てると思っていますので抵抗性の関与は除外できます。
もし、タイムラグがなく、83一定に保てたとすれば、縦一直線のグラフになるでしょう。
ループではなく、直線的になるグラフでも縦長になるものと横長になるものでは、このタイムラグをどれくらい含むかと言う解釈が成り立つと考えています。
もちろん、縦一直線とか横一直線と言うのは極端な例えですし、インスリンだけで血糖値を語ることもできないかもしれません。
ただ、直線的になるグラフを描けたとしても縦に立ったグラフと横に寝たグラフには何らかの違いがあるはずであり、その一つがタイムラグの違いであると言いたかったのです。
次の記事で触れる予定ですが,電子回路に例えると,遅延=Delayというよりは,Phase Shiftに近いと思っています.
単に 遅延では 外部入力信号(=血糖値の上昇/下降)に対して,応答信号の立ち上がり(=インスリンの分泌)のタイミングラグだけを指しますが,そうではなくて 入力信号の波形そのままに位相ズレを起こしているようにみえるからです.
つまり入力信号に対する出力信号のLinearityは保たれているようにみえます. ただそれにRingingが付け加わることもありますが.