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インスリン抵抗性を考えてみました[2] 肝臓のピンハネ

前回記事の図を作成していて気づいたのですが,ネット情報や,病院が患者向けに作成したパンフレットでは,話を単純化するために,『食事を消化・分解して小腸から吸収されたブドウ糖(血糖)などの栄養分は,小腸からそのまま全身を循環している』などと解説...
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インスリン抵抗性を考えてみました[1]

インスリン抵抗性この言葉は糖尿病患者なら,一度は主治医から聞かされた言葉ですね.せっかく食後に膵臓がインスリンを絞り出してくれているのに,体内の筋肉などの細胞がそれを受けとって 血糖を吸収してくれない.これが『インスリン抵抗性』なのです(ド...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[11完] 違う病気を同じ名前で呼ぶ弊害

前回記事ではBMIが31以上という高度肥満の人が,2週間の肥満治療(=超低カロリー食+運動療法)で,体重が 3%減っただけなのに,糖負荷試験で『糖尿病型』から『境界型』に改善しました.しかも血糖値が下がったにもかかわらず,インスリン分泌量は...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[10] 簡単に治る『単純肥満型糖尿病』

簡単に『治る』単純肥満型糖尿病昨年の第63回 日本糖尿病学会でこういう症例が報告されています.短期間の減量により耐糖能の改善が糖負荷試験で示された一例第63回 日本糖尿病学会年次学術集会2P-57-450代後半の女性の方です.この通りの高度...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[9] 誰も気づかなかったのか

【以下の記載は,Wagner論文の内容紹介ではなく,しらねのぞるば個人の推論(=暴論)ですので,そのつもりでお読みください】危険なSIRD糖尿病予備軍の段階では,たしかに多少血糖値は高いものの,HbA1cもそれほど悪くないので,『肥満の人に...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[8] SIRDは糖尿病ではない?

Ahlqvist博士が提案した 『2型糖尿病には4つのクラスター(=異なる4つの病気)が存在する』という説では,比較的軽度のもの(MARD,MOD)と 短期間に重症化しやすいもの(SIDD,SIRD)とに二分されます. SIDDについては,...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[7] 糖尿病発症に至るまで/発症後

糖尿病予備軍の段階で 既にクラスターに分かれているのであれば,もしもその人達が糖尿病を発症した場合に,Ahlqvist分類のどのクラスターに対応するのかどうかは,気になるところです.その対応が Wagner論文のSupplementで,Sa...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[6] ドイツと英国の予備軍クラスター

糖尿病の予備軍(=糖尿病リスクの高い人)の段階でも,既に複数のクラスターに分かれているのかどうかを調べた結果が,ドイツのWagner論文として報告されています. 今月のNatureに掲載された最新の論文です.2型糖尿病 高リスク者を 病態生...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[5] 先生のいない教室

Data-Driven Cluster分析とはこの記事で 荒っぽく説明しましたように;Data-Driven Cluster分析とは, すべてのData同志の相互距離の合計が最小になるようにグループ分けした結果です.『結果』という言葉に注目...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[4] 危険な第6クラスター

「2型糖尿病」と呼ばれているものは,実はそれぞれがまったく異なる4つの病気をひとからげにしているだけである,というAhlqvist博士の新説は,欧米の糖尿病医学界に広がりつつあります.予備軍の段階ですでに違うのではAhlqvist博士は,ス...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[3] 予備軍なら 皆 同じというわけではない

スウェーデンのAhlqvist博士は,従来 2型糖尿病と診断されている人でも,実は4種類(クラスター)の別の病気が含まれていることを明らかにしました.では,このクラスターは,どの時点で見分けられるのでしょうか? 糖尿病になってから,このよう...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[2] ワグナー分類

糖尿病予備軍の段階の人達に,Ahlqvist博士と同様にCluster分析を適用するとどうなったかというこの論文の著者は R.Wagner というドイツ/テュービンゲン(Tübingen)大学の新進気鋭の学者です.R.Wagnerと聞けば ...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[1] Ahlqvist説は 深まり広がりつつある

『2型糖尿病』というものは存在しない2018年に スウェーデンのEmma Ahlqvist博士が発表した論文は,世界の糖尿病医学者に衝撃を与えました.この論文は,スウェーデンのScania県で新たに糖尿病と診断されたすべての患者のデータベー...
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『2型糖尿病』は存在しない[24完] ぞるばの提案

このシリーズの締めくくりです. 本記事は Ahlqvist博士の画期的な新説について,しらねのぞるばによる勝手な感想ですから,真に受けないでください.壊れたら直しますエンジニアリング技術者ならよくご存じですが,工場の生産設備や,送電設備・橋...
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『2型糖尿病』は存在しない[23] 4通りか 1,000万通りか

現在の糖尿病分類が1型/2型/それ以外に少数の糖尿病なのに対して,Ahlqvist博士は ,1型/2型を新たに5つに分類すべきと唱えています. その考えに従えば,現在の2型は4種類になります.この博士の提案に対して,世界の臨床医からは,そん...
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『2型糖尿病』は存在しない[22] 4色パレット

(C) acworksAhlqvist博士が,従来の1型/2型糖尿病ではなくて,あらたに5つの分類を提案した時に,世界の糖尿病臨床医学界から出た異論で多かったのは;糖尿病は,特に2型糖尿病は 患者ごとにまったく病態が多様である.したがって,...
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『2型糖尿病』は存在しない[21] 日本人の解析結果-3

【転帰】とは「転帰」とは病状の変化全般を指す言葉です. 「病状の変化」なので,治癒に向かって良くなることも,病気が悪化することも,変化があればすべて転帰です.※ 余談ですが,「転帰」はいつから医学用語として使われるようになったのでしょうか?...
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『2型糖尿病』は存在しない[20] 日本人の解析結果-2

日本人の糖尿病患者についても,Ahlqvist博士の Data-driven Cluster Analysis手法で分類すれば,同様の結果となるのかどうかは非常に注目されます. なぜなら博士の分類した『4つの糖尿病』よれば,インスリン分泌不...
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『2型糖尿病』は存在しない[19] 日本人の解析結果-1

Ahlqvist博士の提案した『2型糖尿病は4つのそれぞれ異なる病気に分類されるべきだ』という提案は,当初 異論や反論が出たものの,それらはことごとく論破されて,しかもスウェーデン以外の多くの国・人種で検証した結果が続々と出そろうと,むしろ...
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『2型糖尿病』は存在しない[18] 別の指標が使えないか

日本に限らず,世界の糖尿病患者は,医者から『あなたは糖尿病です』と告げられる時,その根拠は診断時の血糖値やHbA1cです.WHOの糖尿病診断基準でそうなっているからです.『あなたのインスリン値(IRI)はXXだから,糖尿病だ』と言われる人は...