インスリン抵抗性を考えてみました[2] 肝臓のピンハネ

前回記事の図を作成していて気づいたのですが,

ネット情報や,病院が患者向けに作成したパンフレットでは,話を単純化するために,『食事を消化・分解して小腸から吸収されたブドウ糖(血糖)などの栄養分は,小腸からそのまま全身を循環している』などと解説されていることがあります.

食事から摂った糖質は、ブドウ糖に分解され、血管を通って全身の細胞に運ばれ、活動するためのエネルギー源となります。

[出典 1]

食事でとった栄養は腸でブドウ糖として吸収され、血液を通って運ばれ、筋肉や脳でエネルギーとして使われます。

[出典 2]

小腸で吸収されたブドウ糖は,そのまますぐに血液により全身循環しているわけではありません.

かならず全量が まず肝臓に送られます
つまり,下記の説明が正しいのです.

私たちが食事でとる栄養素のひとつである糖質は、小腸で消化されブドウ糖という形になって吸収されます。そして、肝臓を介して全身へ運ばれ、大切なエネルギー源となります。

[出典 3]

この図の通りです.小腸で吸収した栄養分は(脂質を除いて★)すべて肝臓を経由します.

★ 脂質だけは,胆のうから分泌される胆汁により エマルジョンにされて,小腸からリンパ管に運ばれます.

しかも 肝臓に集まったブドウ糖は,全量がそっくりそのまま全身に分配されるのではなくて,肝臓が一部又は大部分を『ピンハネ』してから,全身に送られます.

このことは インスリン抵抗性・インスリン感受性を考えるうえで,大きな要素となりますので,ご記憶ください.

[3]に続く

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