学会

[第55回糖尿病学の進歩]感想記事(1) 名前が悪い

3月5日~15日は,の聴講に専念しております.この講演会は,日本糖尿病学会が,主として専門医向けに最新の医学情報を提供するものです.講演内容をそのままネットに転載するのは厳禁です.よって,ブログでは 講演を聴講した感想のみを記載いたします....
その他

おかげ様で2周年

2019年3月6日に 本ブログを開設して,本日でちょうど2年 経ちました.(C) animal-designさん10年以上かけて収集,溜め込んできた糖尿病関係の医学文献を整理したいという,まったくの個人的事情で始めたものですが,予想外に多く...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[11完] HOMAよりも役に立つ指標

ここまで,インスリン抵抗性とは何か,それはどうやって測定されるのか,そしてインスリン抵抗性の指標としてよく使われているHOMA指標を考えてきました.HOMAのまとめインスリン抵抗性を本当に実測しようとすれば,ちょっと怖いクランプ試験しかあり...
学会

【本館・別館共通】3/5~15 記事更新が不定期・不定時になります

明日3月5日から15日までは,『第55回 糖尿病学の進歩』の講演聴講に専念しておりますので,ブログ本館・別館 共に記事更新が不定期・不定時になります.ご了承願います.今回の講演総数は156本.1本30分として,すべてを聞くには 不眠不休でも...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[10] HOMAだけでは説明できないこと

HOMAの概念HOMAの概念図HOMAは人体の血糖値が平衡に達する状態を完全に数学モデル化したものです.脳も含めた各臓器の応答動作は,自分の周囲の血糖値及びインスリン濃度のみで決定される.その動作は精密ではあるが,完全に機械的に応答するもの...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[9] 指標は換算値ではありません

HOMA=HOmeostasis Model Assessment(恒常性モデル評価)は,クランプ試験のようにインスリン抵抗性・インスリン分泌能を実測するわけでもないし,間接測定法ですらありません.HOMAは,クランプ試験と『よく相関する指...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[8] HOMA-βは要注意

HOMA-β 日本人には 要注意このシリーズでは,インスリン抵抗性と並んで HOMAの もう一つの側面=HOMA-β(インスリン分泌能)については 故意にふれてきませんでした. なぜならHOMA-βは日本人に適用する際には 特に注意が必要だ...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[7] 現在はHOMA2に

HOMA-R式のメリット・デメリット精度はかなり劣るものの,1回の採血で患者の インスリン抵抗性を推定できる HOMA-R式は,使い勝手のいいものです.しかし,以下のような問題もあります.HOMA-R式は,クランプ試験などの実測値データから...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[6] 単純肥満性糖尿病が『治る』ワケ

HOMAのグラフは,Ahlqvist分類で,MOD (=Moderate Obesity Diabetes:軽度肥満糖尿病)が なぜ比較的 『簡単に治る』のかも説明してくれます. 私はこれを『単純肥満性糖尿病』と呼んでいます空腹時血糖値が1...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[5] HOMAの計算結果

『血糖値変動にかかわるすべての臓器の動作を数式で表して解析する』これが HOmeostasis Model Assessment(恒常性モデル評価)です.血糖値が高くなれば,インスリン分泌が多くなり,各組織での糖取り込みが増えます. その結...
学会

【速報】第55回 糖尿病学の進歩 プログラム公開

来月5日からオンライン開催される「第55回 糖尿病学の進歩」のプログラムとLive配信日程表が公開されました.(C) 日本糖尿病学会日本糖尿病学会の『年次学術集会』が,『糖尿病医療に関する研究・討論・シンポジウム・症例検討』主体であるのに対...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[4] クランプをHOMAで推測

インスリン抵抗性を正確に測定するには,まかり間違えば命掛けのクランプ試験しかない,というのが前回記事 でした.しかし,この方法を実際の糖尿病患者の診断に使うわけにはいきません.そこで 考え出されたのが HOMAです.Homeostasis ...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[3] 実際に測ってみましょう

クランプ試験インスリン抵抗性を実測する方法は,『クランプ試験』しかありません. それ以外にも 間接的な測定法や 推測法はあるのですが,直接測定できるのはこのクランプ試験だけです.糖尿病医学の大御所 DeFronzo博士が考案しました.今から...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[2] 肝臓のピンハネ

前回記事の図を作成していて気づいたのですが,ネット情報や,病院が患者向けに作成したパンフレットでは,話を単純化するために,『食事を消化・分解して小腸から吸収されたブドウ糖(血糖)などの栄養分は,小腸からそのまま全身を循環している』などと解説...
病理

インスリン抵抗性を考えてみました[1]

インスリン抵抗性この言葉は糖尿病患者なら,一度は主治医から聞かされた言葉ですね.せっかく食後に膵臓がインスリンを絞り出してくれているのに,体内の筋肉などの細胞がそれを受けとって 血糖を吸収してくれない.これが『インスリン抵抗性』なのです(ド...
新型コロナ

新型コロナの抗体[2完] コロナの記憶

新型コロナに感染した人が幸いにも回復した場合,その人の血液中からは コロナの抗体が検出されます. 免疫システムが作動したわけです.そしてその時作られた抗体の量は,感染していた時の症状の重さに比例していることが確認されています.この抗体がその...
新型コロナ

新型コロナの抗体[1] 保有量と持続期間

新型コロナ抗体保有率日本で,新型コロナの抗体をどれくらいの人が保持しているのかという調査結果が発表されています.新型コロナ 抗体保有の割合 5都府県すべてで1%下回る 2021年2月5日 NHK厚労省が,昨年去年12月14~25日に調査した...
新型コロナ

コロナ禍だからできたこと

閑話休題です.視点を変えて,『このコロナ禍がなかったら,こんなことできなかったよな』という話です.書類の整理が一気に進んだ(C) tomorrowさん何十年にもわたって集めてきた楽譜,そして糖尿病になってからせっせと図書館に通って集めた医学...
学会

【速報】第64回 日本糖尿病学会は全面WEB開催

第64回 日本糖尿病学会別館ブログでも こう予想していましたが,残念ながら 予想が当たってしまいました.5月に金沢での開催を予定していた第64回 日本糖尿病学会 年次学術集会は,全面的にWEB開催となりました.(C) JDS現下のコロナ情勢...
病理

【続】[2型糖尿病]は存在しない[11完] 違う病気を同じ名前で呼ぶ弊害

前回記事ではBMIが31以上という高度肥満の人が,2週間の肥満治療(=超低カロリー食+運動療法)で,体重が 3%減っただけなのに,糖負荷試験で『糖尿病型』から『境界型』に改善しました.しかも血糖値が下がったにもかかわらず,インスリン分泌量は...