【続】肝機能指標と糖尿病[2] 久山町研究から

健康診断や通院時の採血検査で,血糖値と同時に必ず測定される 肝機能指標(AST, ALT, GGT[γGTP])は,それ自体が独立に,糖尿病の重症度を推測できる指標であることは知られています.

なぜなら 肥満型糖尿病では,脂肪肝がインスリン抵抗性を高めて ストレートに血糖値の悪化につながるからです.

したがって,糖尿病発症以降は,肝機能の数値には誰しも敏感になると思います.

ところが,ほとんどの人は,健康診断を受けてはいても,それが『おおむね正常』が続いていれば,そのデータなど保存していないでしょう.

しかし,肝機能指標が糖尿病の程度の反映であるならば,肝機能指標の上昇は(たとえそれが『正常基準値』の範囲内であっても),『糖尿病が発症する準備段階になっている』のではないか,と考えられます.

実際にそれが 久山町研究の実データで裏付けられています.

久山町研究の内容については こちらの本が詳しいです.

祢津加奈子
『剖検率100%の町』
(C) ライフサイエンス出版

[3]に続く

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