[第55回糖尿病学の進歩]感想記事(3) 名前が初登場

専門医 指定講演

糖尿病専門医は,専門医になった後も その名称を維持するためには,定期的に学会講演を受講して 常に最新の知識を取り入れるよう求められます. 学会に出席し 規定の単位を修得しないと,以後『日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医』を名乗れません.

今回の『第55回 糖尿病学の進歩』でも,専門医のための指定講演が行われています.

Ahlqvist分類が初登場

その指定講演の中で,滋賀医大の前川 聡 先生がこういう講演を行っておられました.

講演のほとんどは 日本人の糖尿病患者の病態・治療について 過去からの推移と現状をまとめたものでした.また欧米人と日本人とでは,同じ糖尿病とは言っても,そもそもインスリン分泌能や遺伝子素因が異なることなどを解説されました.

そして,講演の最後の方で,Ahlqvist博士が糖尿病の新分類説を唱えたこの論文をかなり詳しく解説されました.

解説の内容自体は,このブログでもシリーズ記事で紹介した通りです.

現在2型糖尿病とひとまとめにされているが,実はそれらは 相互にまったく異なる4つの病気であること,そして,それぞれが 合併症の種類・発症リスクが異なっていることなどが解説されました.

最後に,このAhlqvist分類は,日本人の糖尿病患者を調べてもやはり同様であることを確認した 福島県立医大の島袋先生の論文も紹介しました.
その内容は 本ブログでも下記記事で紹しています.

前川先生は,講演の最後に 以上を総括して;

このようにタイプの異なる糖尿病が存在すること,そして そのタイプの違いによって,発症しやすい合併症がそれぞれ違うことは,非常に興味深い

と述べておられました.

注目すべきは,日本糖尿病学会でついに『Ahlqvist説』が初登場したことです.『糖尿病患者が1,000万人いるから,1,000万通りの個別治療をめざす』のも気宇壮大で結構な話ですが,Ahlqvist博士のように,データ分析に基づき 着実な進展が望めるアプローチの方がよほど現実的だと思います.

[感想-3]

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