この記事で,私が糖質制限食に切り替えて以降,数値が改善したと書いたところ;
『しらねのぞるばは,糖質制限に賛成なのか?』
というお問い合わせもいただいております.
糖質制限食には賛否がありますが
たしかに糖質制限食には賛否両論でかしましいですが,まず『糖質制限食』って,どういう定義なのでしょうか?
たしかに江部先生の「スーパー糖質制限食」すなわち
一食あたりの糖質は 20g以内
が非常に有名ですが,北里大学の山田悟先生は,
一食あたり20~40g + 間食で10g
の緩やかな糖質制限食を推奨されています.
「糖質制限食に賛成なのか」の,その「糖質制限食」とは何なのかが明確でないと,ご質問には答えがたいです.
実は別の呼び名もありました
金沢大学医学部の篁俊成(たかむら としなり)先生が,数年前の糖尿病学会で『糖質管理食と呼んではどうか』と提案されていました.私もこれは適当な名称だなと思ったのですが,残念ながら普及しませんでした.
糖質管理食とは
その時 篁先生が言われたのは,「正常人から,軽度・中度・重度の糖尿病患者まで,その耐糖能は一人一人違うのだから,その人の耐糖能に応じて,糖質摂取量を高血糖を生じない程度にとどめるよう自己管理すればいいのではないか」という理由でした.
源平合戦ではないのですから
たしかに,どれくらいの糖質を摂れば,危険なほどの高血糖を生ずるのか,これは人によって違うはずです. 大福を一度に10個食べても,血糖値はピクリとも動かない人から,わずか5gの糖質で血糖値が急上昇する人もいます.多くの人はこの両極端の間のどこかにいるわけで,はっきりと2つのグループに分かれるわけではありません.つまり耐糖能とは「あり」か「なし」かのデジタル数値ではなくて,アナログ的に連続分布しているのです.
とすれば,糖質の「許容上限」もまた連続分布していると考えるべきでしょう.
どこで線引きしているのですか
いわゆる「アンチ糖質制限食」と呼ばれる方が,「糖質制限食」という言葉を聞いただけで烈火のごとく怒りだす,というのが私には理解できません.
あの方々が目の敵にしている「糖質制限食を実行している人」とは,どういう人を対象にしているのでしょうか?
1日60g以内だけが「糖質制限食信者」で,それを1gでも越えていたら,「糖質制限ではないから許してやろう」なのでしょうか?
それとも学会推奨量の糖質を1gでも控えたら,「糖毒教」なのでしょうか?
「糖質を制限すると,耐糖能が悪化する」とは よく聞きますが,具体的に1日の糖質量が何g以下になったら「耐糖能が悪化する」のでしょうか?
いったいどこで線引きしているのでしょう.別に 自分の権利や財産を侵害されたわけでもないのですから「糖毒教など自業自得になるのだから放っておけばよい」でいいのではないですか?
全然 質問へのお答えになっていませんが
そこで,ご質問に戻りますが,糖尿病と診断された方はもちろん,少なくとも糖尿病予備軍の人は,「まず自分の耐糖能を正確に把握して ,その限界を越える糖質は控える方が安全だ」と思っています.私は単純にこれを実行しているだけです.ですから,どれくらい控えるか,あるいは控えないか,したがって結果としての最適糖質量は人によりそれぞれ異なるはずです.これは糖質に限らず,脂質・蛋白質,何であっても同様です.
ひさびさにブログ名にふさわしい『暴論』でしたね.
コメント
この手のブログを立ち上げておられると、いろいろと横槍があるのでしょうね。
実名投稿を信条とする私は、ブログを立ち上げていません。とても実名では。。。
こんなことを書くと、また横槍が増えるかもしれませんが、私にも暴論を書かせてください。
ひと様のブログで何をするんだと言われそうですが、ダメだったら削除していただいても一向に構いません。
私に見えるのは、糖質制限派の方は、そうでない方を攻撃的に非難する事は少なく、筋トレ系の方は、糖質制限を目の敵の様に攻撃すると言う構図です。
ここには、「筋トレ」と言うしんどいメソッドを実践している自分を鼓舞するため、正当化するために、楽している(ように見える)糖質制限派を攻撃すると言う精神的なものが見えます。
しんどい思いをしているのに否定されては、元も子もなくなるので、先制攻撃によって、反対意見を聞くことなく、自分のやっていることを正当化すると言う手段です。まるで宗教戦争です。みんながそうだとは言いません。
もう一つは、筋トレ系の方は、どうしても糖質を摂取したいと言う欲求を満たすために筋トレを行っていると言う事です。
ここにも糖質摂取を正当化するために糖質制限を批判せざるをえない理由がある分けです。
糖質制限派の方は、糖質さえ食べなければ普通に生活できるのでそれで良いと言う考え方の方が大半ではないかと思います。
糖質制限を途中で批判しだす方も糖質摂取を切望するものの、糖質制限では叶わなかった方たちです。
要するに糖質制限を批判する方の多くは、糖質を食べたいと思っている方だと思います。これもみんながそうだとは言いません。
糖質を摂取したい集団と、しなくてよいと考えている集団なので考え方のパラダイムが違い過ぎてお互いに相容れることはありません。
さらには、筋トレ系の方は、糖質摂取の欲求を満たすため、血糖値とHbA1cの改善を唯一の課題(少なくとも私は筋トレ派の方がこれ以外で議論しているのを見たことがありません)にしていますが、糖質制限派の方は、糖質が生活習慣病全般に与える影響を考えているようにも思います。
私自身は、超スーパー糖質制限(40g/日)ですが、それが100%良いとは思っていません。実際に弊害もあり、そこは工夫しながら自分に合わせてやっています。
そして、運動の効果も十分理解しています。その上で、今の自分にできる事、長く続けられることをやっているまでです。運動の効果については、その内、機会があれば投稿させていただきます。
>「まず自分の耐糖能を正確に把握して ,その限界を越える糖質は控える方が安全だ」
その通りです。私が、SMBGとリブレで24時間血糖値を測っているのはこのためですし、それが結果的に、超スーパー糖質制限だっただけです。おかげで最近は「超」でなくても大丈夫な時が増えています。時には全く、糖質制限食でなくても(60g/食)大丈夫な場合も。ばらつきがあるので難しいですが。
まあ、どちらも糖尿病と言う病態を改善したいと思ってやっている事に変わりはないのですけどね。
余談ですが、暴論ついでに
糖質制限批判の根拠となっている文献の大半が、ハーバード大学公衆衛生大学院ウォルター・ウォレット教授(全粒粉を中心とする食品ピラミッドで有名な栄養疫学研究の第一人者、赤身肉が悪いと言うのもここが出どころ)の研究から引用、派生したもの、または、その一派の研究ではないかと思うものがやたらと多いですが、神格化されている(としか思えない)彼の影響力は絶大なようで、内容とは関係なく、簡単には覆りません。
したがって、炭水化物について、この一派の論文は、結果ありきの内容になっており、非常に信憑性を疑っています。私は、糖質制限反対を論じた文献は、この一派のものと無関係である確証がなければ信用していません。
今年の米国糖尿病学会のガイドラインは、糖質制限食についてコンセンサスレポートからかなりトーンダウンした内容になりましたが、ここでも彼の影響力がささやかれています。
さて、日本のガイドラインは誰の影響を強く受けているのしょう。
> 私にも暴論を
暴論 大歓迎です.(念のために言えば 『糖質制限』という言葉で 血圧 及び/又は 血糖値が上がる人も歓迎します. そのための『暴論ブログ』です)
コメントだと,どうしてもスマホ閲覧の人は 見落としているようですので,このまま記事にさせてください.
どうぞ、ご自由にお使いください。
まぁ、いつも自分だけのn=1で仮説を立てる暴論ですが。
ありがとうございます.
私も何気に思っていました。筋トレも良い改善方法のひとつだと思うのですが、なぜ叩くのだろう、と。「筋トレでここまで良くなった!」という記事はとても興味深いものでしたが…。
いずれにせよ、皆思う事は同じなのですがね…「この現状から抜け出したい!」。
現在うなぎ登り的に増えている糖尿病患者ですが、まだまだ不明瞭な点は多いようですね。今後いろんな事が解明され、家でできる改善方法から薬や治療法も見つかり、患者が救われるといいなと思います。
文字通り 『歯を食いしばり苦難に耐えて 力を入れたら治った』この達成感・高揚感たるや並大抵でないのでしょう.そこはよくわかります.
レジスタンス運動が効果的であることを否定はしませんが,どんな病状の人にも,年齢や体格がどうであろうと,一律にハードなトレーニングを要求し,これをやらない人はけしからんと主張したらそれは問題でしょうね. 糖尿病学会が,患者の容態・耐糖能の違いを無視して,一律に同一の食事療法を強制しているのと同じ構図になってしまいます.
この記事でも
糖尿病医療学[途中下車]の記事でも
とあるマンガの
「人間の一番の不幸は自分よりも下だと思っている人間が幸福になることだ!」
というセリフが頭に浮かびました。
人の世の常でしょうか.
会社では人事も担当していましたが,企業などの組織においては 人と人との関係を1次元(上下関係)でとらえるのはやむをえないでしょう.
しかし 一歩会社の外に出れば,人のつながりは2次元だと思っています.上も下もないのです.
もう一つ、暴論を。
糖質制限での弊害についてもう一つ、睡眠(不眠)についてです。
糖質制限を始めるとショートスリーパーになると言う人がいる。私も一時期、4時間睡眠になったことがある。
糖質による体への負荷が少なくなり、そんなに長く寝なくても体力が回復するのだと言う。
これで私も一人前の糖質セイゲニストかと「裸の王様」になっていた。
しかし、糖質制限を始めて2年が経とうとしている私は、糖質制限前(6時間)よりも長く、2度寝なしで8時間近く寝ることもある。還暦近い年齢的には長い方だと思う。
このような変化から、短時間睡眠で調子が良いと思っていたのは間違いではなかったのかと、最近、思っている。
とくに、この2~3ヶ月、腸内環境の改善を意識するようになって睡眠時間がさらに長くなったように感じる。
以前に私が不眠症、不安症の治療を受けたある精神科医から聞いた話であるが、睡眠には「睡眠力」が必要で、年齢と共に衰えて睡眠時間が短くなると言うものである。
では、糖質制限で体調が良くなり、体力が回復すれば、若いころの様に睡眠時間も長くなるのではないかと。
この矛盾にずっと引っかかっていた。
この疑問の一端に答えてくれるブログを見つけた。腸内環境と睡眠について、ある医師(オーソモレキュラー栄養療法)のブログである。
http://www.clnakamura.com/blog/の11月25日「ビタミンDと腸内細菌」
「ビタミンDとB100を3か月続けると、睡眠が改善し、痛みが軽減し、腹部症状が解消した。こうした結果は、ビタミンDとB100を組み合わせて使うことで、ヒトの通常の腸内細菌叢を構成する4つの特異的菌種(アクチノバクテリア、バクテロイデス、ファーミキューテス、プロテオバクテリア)に好ましい腸内環境になったことを示している。」
糖質制限では、食物繊維不足などから、腸内環境が悪化する場合がある。
私も、こむら返りの頻発など腸内環境悪化によるマグネシウム不足と思われる症状に悩まされた。
その後、腸内環境を整えることによりこむら返りはピタッと治まった。このころから8時間睡眠が増えてきた。
紹介したブログでは、ビタミンD不足と腸内環境の関係について書かれているが、要するに腸内環境が悪化すれば睡眠障害を引き起こすことがあると言う事である。
以上から私なりの結論(暴論)
短時間睡眠でも体調が良い(と思っていた)のは、糖質制限で体調が良くなる過程で睡眠時間が短くなったためであり、もしこの時にもっと睡眠が取れればさらに体調は良かったのではないかと思う。
要するに、短時間睡眠は糖質制限による腸内環境悪化を原因とする睡眠障害なのかもしれないと言う事である。
ショートスリーパーのほとんどは、日中にマイクロスリープ(無意識な数秒程度の超短時間睡眠)を繰り返して帳尻を合わせている可能性が大きいと言われている。
無意識なので本人は気が付かない場合が多いが、自動車の運転などに危険が及ぶ可能性を秘めている。
しかし、本物のショートスリーパーは、そうでない人とは遺伝子レベルで異なっていることからも、そうでない人は本物のショートスリーパーになる事はできないと思われる。
糖質制限による短時間睡眠は、やはり睡眠障害と考えた方がよさそうですね。
私はむしろ逆で,糖質制限食にしたら 寝つきもよくなり,睡眠時間も長くなりました.
今年のシルバー川柳 優秀作に;
いびきより 静かなほうが 気にかかり
という名句がありますが,家内は「さっきまで話していたのに,急に静かになったと思ったら もう寝込んでる. 死んだのかと思った」だそうです.