食べ順食事法の効果って?[その1]

食べ順食事法が注目されているようです

食事制限は一切不要,ただ食べる順を変えるだけで血糖値上昇が緩やかになる,あるいは 糖尿病を予防できる,まあ ここまではいいとして,果ては「食べ順療法で糖尿病を治した 」 , 「 食べ順ダイエットで美しく痩せられた 」 とまで言われると誰でも試してみたくなりますが,どの程度の効果があるものなのでしょうか.
ネットや健康雑誌などでは,「血糖値上昇が緩やかになる」とは書いてある割には,実際のデータが示されていることは少ないですし,データがある場合でも,「この程度なら日々の体調変動か,測定器の誤差範囲なのではないの?」と思うこともあります.

学会ではきちんと報告されています

血糖値上昇を予防する方法として食べ順療法を提唱されたのは,今井佐枝子 大阪府立大学教授(当時;現在は京都女子大学 教授)と梶山内科クリニックの梶山静夫院長でしょう.

「糖尿病がよくなる!食べる順番療法」 新星出版 2011年

食物繊維の多い野菜を最初に食べ,炭水化物は一番最後に食べれば,食後の血糖値急上昇は抑制できる,というものです.

実際,血糖値を測定しながら,【1】野菜→その他のおかず→主食 という順番と,【2】それを逆にした順番で 被験者に食事をしてもらったところ,明らかに【1】[野菜が先]にした方が食後血糖値は緩やかでピーク値も低く,たしかに食べ順の効果がみられました.

学会では,これに関して多くの実験報告がなされており,健常者又は糖尿病患者のどちらを対象にしても,いずれも食後血糖値が有意に低下していました.下記はそのごく一例です.

  • 日本糖尿病学会 第55回年次学術集会 番号 2-7-8
  • 日本糖尿病学会 第57回年次学術集会 番号 2-11-4
  • 日本糖尿病学会 第57回年次学術集会 番号 2-P-324

[その2]に続く

コメント