食事療法

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食事療法の迷走[54] 新ガイドライン以降の動き [糖尿病治療ガイド-2]

日本糖尿病学会が5月に発行した『糖尿病治療ガイド 2020-2021』(右:以下【G-2020】)と,2014年に発行した『糖尿病治療ガイド 2014-2015』(左:以下【G-2014】)とで,食事療法の記載がどう変わったのかを比較してい...
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食事療法の迷走[53] 新ガイドライン以降の動き [糖尿病治療ガイド-1]

日本糖尿病学会は,昨年9月末に『糖尿病診療ガイドライン2019』(=【GL-2019】)を発行しました. 【GL-2019】では,従来の食品交換表で設定しているカロリーは明らかに過少見積だと実測データで証明されたので訂正されました.しかし,...
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食事療法の迷走[52] 新ガイドライン2019の答え合わせ

日本糖尿病学会は,1993年の『食品交換表』第5版 発行以来, すべての患者はBMI=22を標準体重とする. すなわち身長が同じなら標準体重は一律に同じとするこの標準体重に日常活動度を乗じてカロリーを設定した,カロリー制限食を一律に適用する...
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食事療法の迷走[51] ガイドラインは改訂するものの

食品交換表による食事療法の根幹である,「炭水化物 50-60%」そして「糖尿病患者の食事カロリーは低くてもよい」は,間違いであったことが明らかになりました. そしてもう一つ 食品交換表の現時点の最新版である第7版では,糖尿病患者の食事療法に...
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食事療法の迷走[50] 決定打 definitive attack

(C) acworks さん 日本糖尿病学会が長らく推奨してきた『高糖質 カロリー制限食』は 炭水化物=60%が最適というエビデンスは存在しないユネスコの無形文化遺産は,『和食が健康食である』と推奨したわけではない と,論拠が大きく揺らぎ始...
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食事療法の迷走[49] 反攻 Counterattack

逆上陸(C) JAPAN NAVY さん 同じ土俵で議論しよう 前回までの記事で見てきた通り,2012年に 初めて学会の公式の席上で,『糖質制限食』か『カロリー制限食』(エネルギー制限食)かという論争が行われました. それ以降 何度かディベ...
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食事療法の迷走[48] 攻守逆転 Turn Over

糖質制限は行ってはならない これまで見てきた通り,食品交換表の歴史では,日本糖尿病学会は『食品交換表に基づくカロリー制限食こそが,唯一正しい糖尿病の食事療法である』という立場を堅持してきました.したがって,食品交換表を逸脱する方法,とりわけ...
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食事療法の迷走[47] エビデンスを探せ

アイドルを探せシルビー・バルタン(C) 日本ビクター 2013年3月に日本糖尿病学会から,「糖質制限食は勧められない」という『2013提言』が出され,それを受けて同年11月に発行された『食品交換表 第7版』には,わざわざ一項目を設けて『糖質...
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食事療法の迷走[46] ユネスコは医療機関ではない!

ユネスコの「和食文化」登録と糖尿病食事療法 ユネスコの世界無形文化遺産として,「和食の文化」が登録されたのは,他国の例と同様,日本古来の食文化が「保存されるべき文化遺産である」という理由でした.ところが,あたかも国連が日本の糖尿病食事療法を...
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食事療法の迷走[45] ユネスコに登録された各国の食文化

2013年12月に,ユネスコ(UNESCO)の世界無形文化遺産に『和食の文化』が登録されました. この登録により, 『日本食が世界の健康食として国連に認められた』 などという意見があふれました.しかし,それは ユネスコに遺産登録を申請するた...
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食事療法の迷走[44] 異議あり!!

2013年12月にユネスコが日本の和食を世界無形文化遺産に登録したのはこの記事に書いた通りです.日本の伝統文化が登録されたことは,日本人としてたしかに喜ばしいことです. しかしながら, 日本の和食が世界無形文化遺産に登録された さらに, 和...
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食事療法の迷走[43] やはりカロリー制限食が安全

学会のシンポジウム この記事でも紹介しましたが; 2003年のDCCT報告と2008年のACCORDショックで,『日本でも炭水化物による食後高血糖を注意喚起した方がよい』という声が増えてきました. 実際,学会の討論会では,「食事療法」に関連...
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食事療法の迷走[42] UNESCOの狂騒

UNESCO世界無形文化遺産に『和食』登録 2013年12月,日本の『和食』が世界無形文化遺産に登録されました. 新聞・テレビなどのメディアでも大々的に報道され,日本はお祭り騒ぎになりました. (C) テレビ朝日 特に農水省は手放しの喜びよ...
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食事療法の迷走[41] 食品交換表 第7版 勝利の凱歌

2013年 食品交換表 第7版 2013年に『食品交換表 第7版』が発行されました.前回の第6版が2002年でしたから,11年ぶりの改訂です.現在 使われているのは,この第7版です. (C) 日本糖尿病学会 変更点は 第6版と第7版とを見比...
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食事療法の迷走[40] 熊本での学会[2]

2013年5月に 熊本市で開催された 第56回日本糖尿病学会年次学術集会では,『シンポジウム6』にて,『糖質制限食は危険だというエビデンスがある』という主張が大勢を占めました. そして この学会では,もう一つ討論会が行われています. Dia...
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食事療法の迷走[39] 熊本での学会[1]

2013年3月に突如 日本糖尿病学会が報道陣を集めて,『日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言』の発表を行いました.翌日 新聞各社は,競ってこれを記事にし『糖質制限食は危険なので学会が警告を出した』と大々的に報道しました. 2...
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食事療法の迷走[38] 唐突に『提言』

2012年には,1月の日本病態栄養学会と5月の日本糖尿病学会で,糖尿病の食事療法に糖質制限食を取り入れる,又は選択肢の1つとして認めることについて,その是非が討論にかけられました.これについては,賛否両論がありました.しかし,別の検討会で『...
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食事療法の迷走[37] To Consensus 合意を求めて

2012年1月,医学系学会としては 初めて,『糖尿病の治療に低炭水化物食は 是か?非か?』というディベートが 第15回日本病態栄養学会 年次学術集会で行われ,問題提起されました.この問題提起に対して,その後の糖尿病学会の動きです. 2012...
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食事療法の迷走[36] バトル勃発

糖質制限食は是か非か 2012年1月の日本病態栄養学会 初日の討論会『ワークショップ2』では,『食品交換表にカーボカウントを取り入れるべきか』で賛否両論が出されました.そして,その翌日には 『糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?』(★)と...
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食事療法の迷走[35]前哨戦

2012年 日本病態栄養学会 2012年1月 京都で 第15回日本病態栄養学会 年次学術集会が開催されました. この学会に あまりなじみがない方がおられるかもしれませんが,主として栄養士,管理栄養士,及び 栄養とかかわりが深い疾病(★)を専...