食事療法

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食事療法の迷走[23] 米国『炭水化物比率の指定はやめた』日本『ええっ?』

すべての日本人は炭水化物60%を守らなければならない 1986年に米国糖尿病学会(ADA)は,食事ガイドライン "Nutritional Recommendations and Principles for Individuals With...
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食事療法の迷走[22] 日本食こそ世界の理想食だ!

Japan as No.1 敗戦の焼け跡から高度成長が始まり,年ごとに暮らしが豊かになっていった日本にとって,マクガバン・レポートと相前後して出版された Ezra Vogelの "Japan as Number One"は,日本人の自尊心を...
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食事療法の迷走[21] インスリン抵抗性説の浮上

日本人よりもはるかに心疾患死亡率の高い欧米で,各国の糖尿病学会が『糖尿病の食事療法では低脂質・高糖質の方が安全なのではないか』という方向に一斉に傾斜し始めたのが1980年代前半の動きでした. 日本糖尿病学会は,最初の頃は冷静だったのですが,...
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食事療法の迷走[20] 揺れる日本糖尿病学会『これでいいのか?』

(C) 原へりな さん マクガバン・レポートは,その科学的根拠が批判されたにもかかわらず,1980年代になると『米国食事ガイドライン』『米国糖尿病学会食事療法ガイドライン』に『高糖質・低脂質食の推奨』という形で浸透していきました. しかし,...
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食事療法の迷走[19] それでいいのか,ADA?

米国糖尿病学会(ADA)が1979年に発行した糖尿病食事療法ガイドラインで,根拠を明示せずに『一般論として脂質を控えた方がよい』と書いたことに,当然ながら 【異議あり!】が続出しました.そのもっとも強烈な例がこれです. 欧州糖尿病学会誌 D...
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食事療法の迷走[18]米国糖尿病学会はどうしたか

反対者が続出したとはいえ,マクガバン・レポートの提言は米国糖尿病学会(American Diabetes Association = ADA)に大きな影響を与えました.マクガバン・レポートに多数引用された当時の文献では,ただでさえ高い米国人...
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食事療法の迷走[17]米国 食事ガイドラインの成立

『米国人の食事は脂質過剰であり,それが心疾患増加の原因になっている』と訴えて マクガバン上院議員は特別調査委員会報告書(=マクガバン・レポート)を議会に提出しました.マクガバン議員は,これを米国人の食事基準として法案(Act)にまで持ってい...
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食事療法の迷走[16]マクガバン・レポートは日本食を絶賛した?(3)

前回は,マクガバン・レポートの第1版・第2版 報告書で,日本という単語("Japan" 又は "Japanese")が登場する箇所を検索してみました.今回は,その第2版報告書に参考として添付された『補足文書一覧』(Supplemental ...
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食事療法の迷走[15]マクガバン・レポートは日本食を絶賛した?(2)

マクガバン・レポートは『日本の,それも江戸時代・元禄期の日本食が理想的な食事だと結論した.』というのはデマであると書いた,この記事について; マクガバン・レポートでは,日本の食事が心疾患の低い原因だと評価しています というご指摘をいただいた...
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食事療法の迷走[14]マクガバン・レポートは日本食を絶賛した?(1)

前回までの記事で, 『マクガバン・レポートが日本の,特に江戸時代・元禄期の日本食を理想的と評価した』というのはデマである と書きましたが,これについて マクガバン・レポートでは,日本の食事が心疾患の低い原因だと評価しています というご指摘が...
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食事療法の迷走[13]マクガバン・レポートの実際2

マクガバン議員が,当時の米国人の平均的な食事から見れば,『大幅に脂質を減らして,糖質の摂取を増やす』よう提案した,その動機は何だったのでしょうか?それは当時 議員(及びそのスタッフ)の手元に集まった資料を見れば明らかです.おそらく議員はこの...
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食事療法の迷走[12]マクガバン・レポートの実際1

マクガバン・レポートの風 前記事で,第5版の食品交換表が それまでの路線から正反対に豹変したのは,米国からの風であったと書きました.その起点が,1977年に米国 上院 特別調査委員会から出された"Dietary Goals for the ...
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食事療法の迷走[11]食品交換表 第5版に至る背景

第5版を生んだ背景 食品交換表は,初版から第4版までは,「1,200kcalまでは基礎食として炭水化物/脂質/蛋白質の摂取量を指定. それ以上は付加食で患者の自由」であったのに.第5版からは箸の上げ下ろし,いや, 「カロリー・栄養素構成のす...
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食事療法の迷走[10]食品交換表 第5版で基礎食はどうなった?

基礎食はどうなった? 食品交換表の第1版から第4版までは,糖尿病患者が主治医から1日の摂取カロリーを指示されたら(例えば 1,600kcal/日というように),1,200kcalまでは 基本的な必須栄養は必ず摂れるように「基礎食」として摂り...
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食事療法の迷走[9]食品交換表 第5版で大きく転換

食品交換表 第5版 1993年には,食品交換表 第5版が発行されました. 食品交換表 第5版(1993)(C) 日本糖尿病学会 この第5版は,それまでの第1~第4版とは内容がガラリと変わりました. 名称を変更 まず 名称が変更されました.そ...
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食事療法の迷走[8]食品交換表 第2版から第4版まで

食品交換表 第2版 1965年に食品交換表 第1版が発行された4年後の1969年に 改訂第2版が発行されました.これ以降 定期的ではないものの,数年おきに改訂されて現在の第7版に至っています. 食品交換表 第2版 (1969)(C) 日本糖...
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食事療法の迷走[7]1965年 基礎食と付加食

米国の Food Exchange System を参考にして,1965年に日本でも『食品交換表』第1版が作成されました.それ以降版を重ね,現在では第7版になっています.これは 文科省が5年ごとに改訂する『日本食品標準成分表』で,同じ食品で...
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食事療法の迷走[6]1965年 食品交換表の登場2

敗戦直後の絶望的な食糧不足と栄養失調からは抜け出したものの,1965年当時の食事の内容は; 米食偏重で,近代化・高度化された欧米先進諸国の食糧消費水準からみれば,食生活の近代化,高度化とはほど遠い摂取水準にある1965年 厚生省 国民栄養調...
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食事療法の迷走[5]1965年 食品交換表の登場1

1965年という時代は 1965年は,その前年に東京オリンピックが開催され,高度成長の開始とあいまって,目に見えて生活がよくなってきたという実感が感じられる年でした.おそらく日本人の『夢と希望』が最大だった年かもしれません. それを裏付ける...
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食事療法の迷走[4]「昔は糖尿病が少なかった」は本当か2

専門家の本音は 前回記事で, 昔は糖尿病が少なかったというが,昔と今では 糖尿病判定基準がまるで違うのだから,時代を隔てた数字を比較しても意味はない と書きました. 素人は,『これは医学データだ』と言われればお手上げですから,この手のトリッ...