しらねのぞるば

病理

グルコキナーゼ活性化薬[2]

第2相試験 前回記事 の通り,メルクが開発したグルコキナーゼ活性化薬 MK-0941の効果は目覚ましいものでした.その後も 数々の動物実験など,そして健常者を対象とした 第1相試験でもすばらしい血糖値低下効果を示しました. そこで,新薬承認...
症例

[別館記事更新] 落下星さんのブログ

『落下星の部屋』というブログがあります. 天体観測と 故郷 千葉県の落花生をこよなく愛しながらも,糖尿病により52歳で亡くなられた男性のブログです. 40代で糖尿病を指摘されましたが,放置していたため右目失明,下肢神経障害から血行障害→壊疽...
病理

グルコキナーゼ活性化薬[1]

グルコキナーゼ活性化薬とは インスリン分泌能力は十分あるのに,血糖値が上がってもインスリンが分泌されない.血糖値が上がり もはやグルカゴンの出番はないはずなのに,依然としてグルカゴンがバンバン出る. この不可解な現象は,単に膵臓のインスリン...
その他

[別館記事更新] 大阪で道を尋ねると

大阪を離れて 長らく関東住まいですが,時たま大阪に帰ると,住んでいた時には気づいていなかった『大阪弁の変なところ』がわかるようになりました. ご興味のある方はご覧ください.
病理

グルコキナーゼ[6] 糖尿病ではどうなるのか

グルコキナーゼは,血糖値を一定に保つためのセンサーの役割を果たしているグルコキナーゼの活性が低下すると 血糖値が高くなっても感知できなくなる これがここまでの話でした.では糖尿病とグルコキナーゼとの関係はどうなのでしょうか. グルコキナーゼ...
その他

[別館記事更新] 塩漬けメンマ

塩蔵品は塩抜きすると 水を吸って膨らみます. 人間も塩分の濃い温泉に入ると 塩漬けになるようです. ご興味のある方はご覧ください.
病理

グルコキナーゼ[5] 速度計の目盛りがズレたら

このシリーズ冒頭の記事で,車の速度計が壊れていたため,スピード違反に気づかなかった例をあげました.そして,前回記事で,グルコキナーゼは,血糖値が今どれくらい高いのか/低いのかを示す『速度計』の役割を果たしていることを述べました. そこで,も...
病理

[別館記事更新] 糖尿病性神経根症

神経根症 (C) Johns Hopkins Medicine 糖尿病性筋萎縮症 は,筋肉の萎縮・疼痛という症状がみられますが,これは筋肉自体に原因があるのではなく,脊椎から出た太い神経が 糖尿病によって 根本から障害された結果として発生し...
病理

グルコキナーゼ[4] ヘキソキナーゼのファミリーです

前回記事まではこうでした. 血液で運ばれてきたグルコースは,細胞内で まずヘキソキナーゼという酵素によりリン酸化されて 扱いやすい形にする.ヘキソキナーゼには4種類あり,その一つがグルコキナーゼである. すべてのヘキソキナーゼ(グルコキナー...
病理

[別館記事更新] 糖尿病性筋萎縮症 【追補】

糖尿病専門医を目指す医師のための教科書である『糖尿病専門医研修ガイドブック』には,こう記されています. 本症(=糖尿病性筋萎縮症)は,ミオパチー(=筋肉疾患)ではなく,腰仙部神経根・神経叢障害であり,DLRPNという呼称が用いられる.日本糖...
病理

グルコキナーゼ[3] 解糖系とヘキソキナーゼ

解糖系 グルコースをエネルギーとして利用するには,細胞質内部だけで行える『解糖系』と,解糖系の産物であるピルビン酸を更にミトコンドリアの『クエン酸回路(TCA)』で燃焼させる経路とがあります. グルコース 1モルを完全に燃焼させると 674...
その他

[別館記事更新] 室内 30℃

(C) わかめサロンパス さん 日本のじめじめした夏を乗り切るコツは,冷房よりも除湿だと思います. ご興味のある方はご覧ください.
病理

グルコキナーゼ[2]

キナーゼと聞くと グルコキナーゼは 『グルコ』+ 『キナーゼ』です.キナーゼというからには 酵素の仲間なのでしょうね. 話がそれますが,この『キナーゼ』という言葉を聞くと,すぐに 『ナットウキナーゼ』を思い出して 背筋が寒くなります.なぜな...
症例

[別館記事更新] 糖尿病性 筋委縮

糖尿病で 血糖コントロール不良を長期間にわたり放置していると,糖尿病神経障害などの合併症だけでなく,筋肉の萎縮・崩壊まで起こります.この場合には,加齢による筋力低下などとは比較にならないほど ひどい状態になります. ご興味のある方はご覧くだ...
病理

グルコキナーゼ[1]

朝寝坊! 時計を見てビックリ! しかし 急げば遅刻にはならないと いつもの道を車で走る.この道路は 制限速度 60km/hだが,少し 飛ばし過ぎかな? と思い 速度計に目をやると; (C) 旅人0715 さん なんだ,気のせいか. 焦ってる...
病理

[別館記事更新] eGFR[続] すばらしすぎる値

eGFR は,血中クレアチニン値から腎機能を簡易に評価するものです.この値が低いと腎症が疑われます. では,eGFRは高ければ高いほどいいのでしょうか? 高齢者(65歳以上)の場合は 必ずしもそうだとは限りません.ネットには eGFRを計算...
学会

第65回日本糖尿病学会の感想[17] 総括

【この記事は 第65回日本糖尿病学会 年次学術集会に参加したしらねのぞるばの 手元メモを基にした感想です. 聞き間違い/見間違いによる不正確な点があるかもしれませんが,ご容赦願います】 5月12~14日に神戸で第65回 日本糖尿病学会 年次...
病理

[別館記事更新] eGFR

腎機能を評価するeGFRは,健康診断などでも検査結果が示されます.しかし,この指標は 先頭にe(=Estimated;推定)がついていることからわかるように,あくまでも推定指標であり真のGFRの確定値ではありません.クレアチニンが正常値付近...
運動療法

第65回日本糖尿病学会の感想[16] 運動療法-4

【この記事は 第65回日本糖尿病学会 年次学術集会に参加したしらねのぞるばの 手元メモを基にした感想です. 聞き間違い/見間違いによる不正確な点があるかもしれませんが,ご容赦願います】 この記事 で,最新の日本糖尿病学会の『糖尿病診療ガイド...
病理

[別館記事更新] Fib-4 Index

HbA1cと平均血糖値との関係式の記事でも述べたように,帰納数式というものは 実データから導き出されたものです. しかし その数式を問答無用で すべての個人にそのまま当てはめようとするとおかしなことになります. 肝臓の線維化進行リスクを判定...