前回の記事 は食事療法,それも糖質制限食関連だったため,急にアクセス数が増えました. これは学会でも同じで,日本糖尿病学会でも,日本病態栄養学会(=管理栄養士の学会)でも,糖質制限食がテーマのシンポジウムとなると,いつも会場は満席で立ち見が出るほどです.
この記事に関して,問い合わせ経由でいくつかご質問をいただきましたので,お答えします.
体重の推移
お問い合わせの内容は;
『糖質制限食前後で体重は減ったのか』
『糖質制限食で体重は減ってもリバウンドしないのか』
でした.糖質制限食=ダイエット(減量)と とらえる方にとっては,この体重変化が特に興味をひくようです.
これまでの経緯 にも書きましたように,私の産業医が「このままでは糖尿病まっしぐらだぞ」とイエローカードを出して以来,私は最初 学会のガイドラインに忠実にしたがってカロリー制限食(炭水化物=60%の高糖質食; 1600kcal)を実行しました. しかし,これでたしかに体重は減ったものの,血糖値はむしろ悪化しました.そこで8年前くらいから,糖質制限食に切り替えて,以後継続しています.
下の図は,この10年間の体重変化です.
各時点の体重は,起床直後 トイレ前で 月末における前28日移動平均値をプロットしています.
グラフからお分かりの通り,BMI=24から標準体重までの減量は,ほとんどカロリー制限食の時点で達成されています. 血糖コントロールにはまるで効果のなかったカロリー制限食でしたが,体重減少には有効でした.
したがって,糖質制限食に切り替えた時点で,既にBMI=22付近だったので,それ以降はあまり増えも減りもしていません.2013年頃に緩やかな体重増が見られますが,これは1年ほどで5kgと急速に体重を落としたカロリー制限食のリバウンドなのか,あるいは糖質制限食の最初の1年で3kg減量したリバウンドなのか,どちらかは不明です.
2014年以降は 体重増減に謎のバイオリズムが見られますが,ほぼ BMI=21~22を中心としたわずかな変動です.
【糖質制限食は自然に標準体重付近に落ち着いていく】
というのは,私の例ではその通りでした.
以上 回答
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