糖尿病にも維新を

5月 なりもした. 連休中に東海道・山陽道・西海道と移動して,5月11日から鹿児島(かごっま)で開催される第66回日本糖尿病学会のよいかたに参加しもす. こないだ ブログは本館・別館ともやすんさせっいただきますので,次回更新は5月中旬以降とないもす.

ってこれで鹿児島弁は合っているのでしょうか.こう書いたつもりなのですが.

5月になりました. 連休中に東海道・山陽道・西海道と移動して,5月11日から鹿児島で開催される第66回日本糖尿病学会 年次学術集会に参加してまいります. この間 ブログは本館別館ともお休みさせていただきますので,次回の記事更新は5月中旬以降となります.

(C) JDS

この学会は,大会会長の挨拶にもある通り,2013年に熊本での第56回以来,10年ぶりの九州での開催です.私は出張で2回ほど鹿児島を訪れたことはありますが,どちらもそそくさと仕事を済ませて飛行機でとんぼ帰りしたので,ゆっくりと鹿児島に滞在するのは ほぼ初めてで,鹿児島名物と風景が楽しみです.

それはないでしょう

すでにWEBでは大会プログラムが発表されています.
この大会の形式も,コロナによってすっかり定着した Hybrid開催,すなわち現地開催と,後日のWEB配信の併催となるのですが,全国の糖尿病学会員からは,怨嗟の声が上がっているのではないでしょうか.

というのも,会場での対面講演と,WEBでのオンライン講演の両方が行われるのですが,オンライン視聴できるのは特別講演(会長講演,記念講演など)そして教育講演だけで,一般口演・ポスター発表・シンポジウムは,まったくオンライン配信されないのです.

これでは現地に行かないと 何も聞けません. しかも現地に来たとしても,同時並行で多数行われるシンポジウムや一般口演のうちから どれか一つしか参加できないのです. シンポジウム全部で35本行われますが,どんなにがんばっても その内6本しか聞けないのです.

それはないでしょう.金かやせー』(大阪人)

Hybrid開催が好評だったのは,聞きたい講演の時間帯が重なっても,聞き逃した方は 後日WEBから視聴できたのに,それを一切行わないというのです.これでは学会開催の価値を自ら下げています.

これには さすがに抗議が殺到したと思われます. 最近『一部のシンポジウムは後日WEB視聴も可能にする』と修正されました.しかし どのシンポジウムがそうなるのかは不明です.

たしかに 学会を開催するからには できるだけ多くの人に鹿児島に来てもらった方が,ご当地の宿泊・観光・飲食業が潤うわけで,地域経済をおもんぱかったことは理解できます. 『すべての講演・発表は,現地に行かなくても 後日 WEBから視聴可能』としてしまうと,誰も鹿児島に来ないのではないかと懸念したのでしょう. 地方での開催のジレンマです.

シンポジウム

ところが幸か不幸か,今回予定されているシンポジウムで,ぞるばが絶対に聞き逃したくないものは,これ1本だけでした.

シンポジウム 11
 日本人の食事療法のエビデンス

したがってそれ以外のシンポジウムは参加できなくても,まあよしとしましょう.

一般口演(症例報告)

一般口演+ポスター発表は 総計 1,340件ほどが予定されています. その内半分ほどが インスリンも含めた薬物療法に関連する報告です. そこで 口演+ポスターで 薬剤(除 インスリン)別にみると,こういう具合です.

圧倒的多数がGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)に集中しています.これは 2021年2月に経口セマグルチド(リベルサス)が発売されたため,その投与実績1年間の症例報告が相次いだからでしょう. 新薬が発売されると,どうしてもこうなります.

イメグリミンは30件ほどしかありませんが,こちらは 2021年9月の発売開始なので時間不足だったようです. というのも,今回学会の一般口演は 昨年の11月28日に受付を締め切っているので,発売後 直ちに投与を開始したとしても,1年間の投与実績データの解析が間に合わなかったのでしょう.

また,日本の糖尿病患者の7割には投与されているはずのDPP-4阻害薬の発表は驚くほど少ないです. 良くも悪くも学会発表に値するようなことは発生していない,ということを反映しています.

以上が概要なので,今回の学会には 以下のような優先順位で臨みます.

  • 第一優先:イメグリミンの症例報告は すべて聴く.
  • 第二優先:食事療法のシンポジウム・症例報告
  • 第三優先:その他のシンポジウム・症例報告

つまり 最大数のGLP-1RAの発表は,よほど時間の空きがない限り聞かないということになります.あまりにも数が多すぎるので,どれを聞いてどれを捨てるという取捨選択が不可能だからです.

という予定ですので,鹿児島天文館では何を飲み食いしてくればいいのか,学会では何を聞いてくればいいのか ご意見があればお寄せください.

なお,ブログは休載しますが,本館・別館のコメントへの書き込みはフリーです(コメントに返信はできませんが). さらに 本館の『お問い合わせ』からは 直接ぞるばにe-Mailが届きますので,受信・返信とも可能です.

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