【直前情報】紛糾中? 第23回日本病態栄養学会

開催まで残り1週間なのに

1月24日から京都国際会館で開催予定の第23回日本病態栄養学会 年次学術集会の準備が遅れているようです. 学会HPの案内が更新されるか見ていたのですが,土曜日のこの時間まで更新なしでは,多分週明けまでこのままでしょう.
今回は 昨年までより2週間ほど遅い日程での開催[★]なのですが,それを考慮しても学会の詳細がいまだに発表されていないのは変です.

[★] 昨年までは 1月の第2週末の開催が通例でした.ところが,これでは皇后盃 全国女子駅伝(京都 女子駅伝)と必ず重なってしまうので,今回から第4週末にずらせました.

昨年まではこうでした

2019年1月の第22回学会では,開催2週間前には,日程表だけでなく,詳細プログラムや抄録集がHPに公開されていました[下図].参加予定者はこれを見て,どの口演やシンポジウムを聴講するのか会場の移動計画をたてていたのです.

ころが今回は,開催1週間前なのにこの状況です.

昨年ですら,シンポジウムや特別講演の抄録が事前発表されなくなって,参加者に不評だったのですが,今回は さらに悪化して『当日学会会場に行ってみなければ何もわからない』という闇鍋状態です.

一般口演については,昨年9月に募集を締め切っているのですから,抄録も遅くとも年内には集まっているはずです. とすると予定されている特別講演やシンポジウムの内容が確定していないものと思われます.

たしかに日程表をみると

年末の12月20日に公開された日程表[速報版]には,2日目午後のシンポジウム6のタイトルは『大規模臨床研究と管理栄養士の活用』となっていました.ところが現時点での日程表は差し替えられており,シンポジウム6は『大規模臨床研究がもたらした成果,病態栄養専門管理栄養士による更なるエビデンスの構築に向けて』と変更されています(座長/登壇者には変更なし).しかし これ以外の変更箇所はありません.

邪推ですけど

となるとやはり,今学会の目玉である,合同パネルディスカッションの結論の出し方について,まだ紛糾しているのかもとかんぐってしまいます.

この合同 パネルディスカッションは,昨年9月に発表した『糖尿病診療ガイドライン 2019』に沿って,「糖尿病患者の食事療法で,カロリー設定は一律・機械的ではなく,患者の年齢・病態を見て個別化する 」 という結論を関係各学会が了承するだけの場なのですが,問題は他の学会ではなく,糖尿病学会内部でもめているのかもしれません.

つまり,『従来(たとえば)1,600kcalのカロリー制限食を適用してきた患者には,新ガイドラインでは1,800kcalが妥当』となった場合,ではその増える200kcal分をどうするのかという問題です. これを全部炭水化物の増量に充てれば,ただでさえ『高糖質食を強制して糖尿病を悪化させている』と言われてきたのに,さらに飯を大盛りにすることになります. かといって,増える分を脂質や蛋白質に回すと『食の欧米化は悪です.脂質は毒物ですから最小限に!』という人々が黙っていないでしょう. そもそも 新カロリー設定を食品交換表のこれまでのスタイルで どう表現していいのやら...いやはやたしかに これは収まりがつかないでしょう.ぜひとも派手なバトルが展開されるのを見てみたいものです.

コメント