食事療法

食事療法の迷走[10]食品交換表 第5版で基礎食はどうなった?

基礎食はどうなった?食品交換表の第1版から第4版までは,糖尿病患者が主治医から1日の摂取カロリーを指示されたら(例えば 1,600kcal/日というように),1,200kcalまでは 基本的な必須栄養は必ず摂れるように「基礎食」として摂り,...
食事療法

食事療法の迷走[9]食品交換表 第5版で大きく転換

食品交換表 第5版1993年には,食品交換表 第5版が発行されました.食品交換表 第5版(1993)(C) 日本糖尿病学会この第5版は,それまでの第1~第4版とは内容がガラリと変わりました.名称を変更まず 名称が変更されました.それまでは『...
食事療法

食事療法の迷走[8]食品交換表 第2版から第4版まで

食品交換表 第2版1965年に食品交換表 第1版が発行された4年後の1969年に 改訂第2版が発行されました.これ以降 定期的ではないものの,数年おきに改訂されて現在の第7版に至っています.食品交換表 第2版 (1969)(C) 日本糖尿病...
食事療法

食事療法の迷走[7]1965年 基礎食と付加食

米国の Food Exchange System を参考にして,1965年に日本でも『食品交換表』第1版が作成されました.それ以降版を重ね,現在では第7版になっています.これは 文科省が5年ごとに改訂する『日本食品標準成分表』で,同じ食品で...
食事療法

食事療法の迷走[6]1965年 食品交換表の登場2

敗戦直後の絶望的な食糧不足と栄養失調からは抜け出したものの,1965年当時の食事の内容は;米食偏重で,近代化・高度化された欧米先進諸国の食糧消費水準からみれば,食生活の近代化,高度化とはほど遠い摂取水準にある1965年 厚生省 国民栄養調査...
食事療法

食事療法の迷走[5]1965年 食品交換表の登場1

1965年という時代は1965年は,その前年に東京オリンピックが開催され,高度成長の開始とあいまって,目に見えて生活がよくなってきたという実感が感じられる年でした.おそらく日本人の『夢と希望』が最大だった年かもしれません.それを裏付けるよう...
食事療法

食事療法の迷走[4]「昔は糖尿病が少なかった」は本当か2

専門家の本音は前回記事で,昔は糖尿病が少なかったというが,昔と今では 糖尿病判定基準がまるで違うのだから,時代を隔てた数字を比較しても意味はないと書きました. 素人は,『これは医学データだ』と言われればお手上げですから,この手のトリックに乗...
食事療法

食事療法の迷走[3]「昔は糖尿病が少なかった」は本当か1

「昔は糖尿病が少なかった」は本当か現在は 昔に比べ,特に昭和30年頃に比べると糖尿病が30倍に増えているなどとはよく言われます. こういうグラフが病院や薬局の待合室の壁に貼られていたりします.誰でもこれを見れば,「ものすごい勢いで糖尿病が増...
食事療法

食事療法の迷走[2]~1955年は健康的だったか

1955年 食糧難は脱したが戦後の混乱期はようやく収まったものの,まだ高度成長以前である1955年(昭和30年)の日本全体の栄養状況の調査結果です.厚労省 国民栄養の現状_1955栄養素別のカロリー比はこの通り.まだまだ炭水化物のカロリーが...
食事療法

食事療法の迷走[1]

日本の糖尿病患者の食事療法はどのように始まり,どこでどうして脱輪して現在に至ったのかという話です.(C) とりあし さん1947年の日本昭和22年です.スタートはこのような状況でした. 日本は敗戦により,都市部は焼け野原,一方農村部では戦災...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[7 完]考察4

マッシュポテトのような高糖質の食品を食べる前に,既に腸に脂質が存在していると,マッシュポテトは胃の中で足留めをくらって,排出されるのが大幅に遅れるしたがって血糖値やインスリンが上昇する時刻も遅れるただし 血糖値やインスリンの量が下がるわけで...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[6]考察3

コンソメスープとマッシュポテトだけの食事,(日本風に言えば マルコメの味噌汁とサトウのご飯だけ) ほぼ100%炭水化物という食事に 脂質を追加すると,血糖値・インスリンがどう変化するのかを調べた実験結果を考察しています.前回記事では,スープ...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[5]考察2

Cunnnigham論文の実験結果の考察です.論文の原文に記載のグラフではわかりにくいので,数値を拾って グラフをこのように作り直しました.スマホの方には小さすぎるかもしれませんが,中央が スープ・マッシュポテトのどちらにもマーガリンを入れ...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[4]考察1

ここまでで,英国 Karen Cunningham教授(Cambridge大学;当時)の論文内容を紹介してきました.その方法は,前記事の通り,コンソメスープとマッシュポテトだけという,これ以上単純化しようのない食事を20代の健康な男性に食べ...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[3]

糖質93%の超高糖質食(コンソメスープとマッシュポテトだけ)を食べた場合,そしてそれらと同時に脂質を摂った場合,それぞれについて 胃からの排出時間や血糖値・インスリンはどうなるのか? 糖質と脂質との関係をストレートに調べた英国の実験です.食...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[2]

食事に脂質が含まれている場合と,そうでない場合とで,血糖値やインスリン分泌は食後どう変わるのを調べた文献です.食事中の脂質が胃排出と食後の血糖値・インスリン応答に及ぼす影響実験方法この試験に参加した被験者は,すべて年齢20~28歳の健康な男...
食事療法

食事の脂質と食後血糖値[1]

ブログ別館の『脂質は食後血糖抑制剤』の記事には多くの方からアクセスをいただいたようです.ただ ご覧の通り このデータは 私個人のデータにすぎません.しかも過去の食事記録から集めたものなので,時期もさまざまです.血糖値は1時間おきに測りました...
新型コロナ

新型コロナウイルス:BCG説を考える[6 訂正・補足]

江部先生のブログで よくお見かけする中嶋一雄先生から;『フランスは過去BCG接種を義務づけていた国だよ』とご指摘いただきました.中嶋先生,ありがとうございました.したがって,BCGの接種履歴と百万人あたりの新型コロナウイルス死者との関係はこ...
新型コロナ

新型コロナウイルス:BCG説を考える[6完]

新型コロナウイルスによる死亡率(=人口百万人あたりの死者数)は,本来は結核予防のためである BCGワクチンを国民全員に接種している国,又は かつてそうしていた国では低いのではないかという『BCG説』の情報を集めてきました.最新の情報(202...
新型コロナ

新型コロナウイルス:BCG説を考える[5]

数字が目まぐるしく変わります前回記事で,主要国の死亡率(死亡数/100万人人口)とBCG接種制度の表を掲げましたが,既に数字が変わっています. 2020年4月22日15:00時点の状況は以下の通りです.BCGの接種制度との関係縦軸に死亡率(...