3年前の記事ですが,
『日本糖尿病学会は 2019年に診療ガイドラインを改訂して,糖尿病の食事療法は 患者ひとひりひとりごとに個別化すべきだ,という方針を打ち出した. 果たしてこの新方針は,一般クリニックでの栄養指導・食事指導に反映されているのだろうか?』
と思い,日本全国から無作為にクリニック(すなわち大病院ではない,個人開業医)を50軒 選び,そのHPに掲載されている栄養指導の方針を調べたことがあります.
その結果は 下図の通りでした.
約1/3のクリニックでは,それでも『食事指導は 食品交換表 以外ありえません!』だったのです.
それから3年が経過し,しかも今月には 『糖尿病診療ガイドライン 2024』が発行されるとアナウンスされています.
そこで 最近の状況はどうなっているのか調べてみました.
調査の方法は 前回と同じく 日本全国から50のクリニックを無作為に選んでいます.ただし,クリニックでは 10年以上もHPを更新していないところも多いので,[2023年1月1日以降にHPを更新したクリニック]に限定しました.これなら学会のガイドラインを参照する時間は十分あったはずですから.
結果はこの通りでした.
さすがにストレートに 【食事指導=食品交換表】 一択のクリニックは減りましたね. それでもまだ2割は 食品交換表を聖典として護持しているようです. あっぱれですね.
前回と比べて 『患者の食事状況をヒアリングして個別に食事療法を決定する』というクリニックが大半になりました. また 『食品交換表は使うが,それを一律に適用するのではなくて,患者の個別状況によってアレンジする』というクリニックも出てきました. 前回は このパターンは見当たりませんでした.この2つのパターンの合計は7割近くですから,学会の『食事療法は個別に決定』というポリシーが まずまず意識されてきたのではないでしょうか.
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