記事名にカタい用語が並んでいますが,健康診断などでは必ず測定される血液検査の肝機能の項目と糖尿病との関連性を考えてみます.
肝機能検査とは
肝臓は,人体の化学工場と呼ばれるように,有害物質があふれないように 解毒作用を一手に引き受けています.
肝臓が不調になり,肝細胞が破壊されると,細胞中に含まれていた肝臓や胆管の酵素が血液に溶け出してくるので,これらの酵素の量を測定すれば 肝臓のダメージが判定できます.
健康な人であれば,通常これらの数値は,肝細胞の自然な新陳代謝によるものだけなので,非常に低い値になります.
糖尿病で注目されるのは
では,肝臓と糖尿病とはどう関係しているのでしょうか.
糖尿病学会が発行している 『糖尿病治療ガイド 』 (一般医師向け)や『糖尿病診療ガイドライン 』 には,肝臓に関する記載はみられません. 肥満型糖尿病や,それに伴うインスリン抵抗性はくりかえし詳述されているのですが,それらと肝機能検査値との関連には触れられていません.
そこで 海外の文献を見ると,いわゆる米国型糖尿病では,糖尿病=インスリン抵抗性=肥満=脂肪肝というつながりで,糖尿病の重症度の指標として肝機能検査結果を論じたものは多数あります.
では日本人で かつ高度肥満ではない人では,肝機能の数値が基準値を大きく外れていなければ,あまり気にしなくていいのでしょうか?
[2]に続く
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