肝機能指標と糖尿病[6-3]~highbloodglucose 様の例~

『高血糖な日々 ~するなと言われても一喜一憂~』のブログ主である,highbloodglucose 様からもデータをいただきました.

highbloodglucose 様のブログで糖尿病発症時の状態を見ていただければお分かりの通り,血糖値~700,HbA1c~15 でした.直ちに入院,インスリン治療となり,現在は少量の基礎インスリンと, GLP-1受容体作動薬,メトホルミンだけで,起床時血糖値 110前後,HbA1c 6%前後にまで回復されています.食事に関しては,緩い糖質制限食ですが,特にこだわりはなく自分でよいと思うものを選択しておられます(ですよね?).

肝機能指標の推移

前回と同様, highbloodglucose 様 と 私のデータを比較してみます. 縦軸はなるべく合わせましたが,横軸は, 左の highbloodglucose 様 が約2年,右のぞるばのグラフは 12年以上と まるで違いますので,ご注意を.

左のグラフで明らかなのは,全体としては,どの数値も低く優秀なのですが,時々 現れるピーク(黒の★と赤の)が不可解です.ただ最初の黒の★は,ALTだけが突発的に高くなっているのに対して,赤のは 3つの指標が相互に比率を保ったままでピクンと1回だけ上昇しているのが特徴的です.これは 昨日の記事の西村様の例でもあったのですが,本当に 血中ASTやALTが上昇したのではなく,測定時に検体が溶血したのかもしれないと疑っています[この件は,次の記事にて考えます].

ただし,黒の★は赤のとは異なり,ALTだけが上がっていますから,一過性の肝臓症状が実際にあったと考えられます.

AST/ALT 比の推移

上記の推測は,この AST/ALT比のグラフからも裏付けられます. 黒の★では,たしかに AST/ALT比が急に落ち込んでいますが,赤のでは その前後と比べて変化がみられません.

このことから,逆に 健康診断で 急に肝臓関係の数値が同時に悪くなったら,AST/ALT比をみて『先生,これ 溶血したんじゃないんですか?』と聞いてみて 再検査してもらったほうがいいかもしれません.

この次の記事で,『肝機能検査での溶血誤差 』 を考えます.

コメント

  1. highbloodglucose より:

    記事にしていただき、ありがとうございます。
    グラフにすると分かりやすいですね。
    確かに赤の☆のときは3項目ともピコッと上がっているのが特徴的ですね。
    それに対し、黒の☆のときはALTが飛び抜けて高い。
    このとき、内科クリニックではなにも言われなかったけれど、やはり何か突発的なことが肝臓に起きていたのでしょうね。3ヶ月後の検査ではまた通常の値に戻っていたので心配はしませんでしたが、こういうこともあるのですねぇ。

    肝エコー、どんなデータが出るのか興味があります。
    でも、そのためにわざわざ別の病院に行くのは、出不精のわたしにはハードルが高いなぁ。
    総合病院で調べてくれと頼んでOKしてもらえると楽なんですが。
    ぞるばさんがポケット超音波エコーを買われたら、ぞるばさんちに遊びに行って測定してもらおうかしら?(笑)

    ぞるばさんや西村さんのように、きちんと健診を受けている人であれば、肝機能指標が糖尿病発症のサインとして使えるのでしょうが、わたしのようにとことんまで糖尿病を放置してしまうと、もはや肝機能指標との相関は見られなくなってしまうのかもしれませんね。
    そういう意味でも、定期的な検診と、その結果を自分の目で精査することが必要ですね。

    >緩い糖質制限食ですが,特にこだわりはなく

    あえてこだわりを言うならば、糖質に関しては
    ・精製糖はできるだけ避ける
    ・米は食べず、もち麦・オートミール・ふすまパンなどを主食にする
    といったところでしょうか。
    しかしながら、この食生活がピンチになりそうです。
    (今日のブログで記事にしたいと思っています)

    • しらねのぞるば より:

      > この食生活がピンチになりそう

      とりあえずは 手術が優先でしょうか.お大事に.

      > ぞるばさんちに遊びに行って測定

      そうしたいのはやまやまですが,自分以外に使ったら 医師法違反ですからね.