厚労省が発行予定の『日本人の食事摂取基準 2020案』には,日本人の栄養摂取状況について 詳細に調査した論文が引用されています.
この論文では,人によって,また 同一人であっても 日ごとに摂取する 炭水化物/脂質/蛋白質やビタミン類などが大きく変動することが紹介されています.下記の図は,3人の男性の16日間にわたる摂取カロリーを詳細に観察して追跡した結果です.
図の通り,大食漢らしきAさん,少食のCさん,そしてその中間のBさんの16日間にわたるカロリー摂取状況はこんなにも大きく変動するのです.いずれも日によって1.5倍くらいの変動があります. 少食のCさんが大食漢のAさんのカロリーを上回っている日すらあります.これなどは まだ穏やかなほうで,ビタミン類にいたっては 日によって数倍から数百倍の開きがあります.
この論文の結論は,普通の人の食事における栄養分摂取は,これほど変動が激しいのだから,信頼性のある『平均的な摂取量』を把握するには,多数の人の長期間にわたるデータを取得しないと意味がない,ということでした.
[3]に続く
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