糖尿病,高血圧,高脂血症(高コレステロール症)は,三大 生活習慣病と言われています.
せっかく 厚労省のNDB オープンデータベース から,1年間の医療処方データをごっそりダウンロードしたついでに,これら3大症状の薬の全国処方実績をまとめてみました.
都道府県別 糖尿病/高血圧/高脂血症 内服薬実績
ただ各病気の都道府県別患者数は,糖尿病ほど明らかになっていないので,県民一人あたりの年間 内服薬金額のみの集計としました.したがって,インスリンなどの注射薬は含まれていません.
こうしてみると,ほぼすべての都道府県で 一番大きいのは高血圧薬とわかります.次いで, 糖尿病 ,高脂血症の順です. なおこれら3種の薬の年間合計はほぼ1兆円でした.
全体合計でみても,やはり都道府県によって2倍の開きがあることがわかります.
医療費に地域差が発生する要因
日本医師会総合政策研究所が,地域によって医療費に大きな差が生ずる原因をかなり丹念に検討した報告 がありますが,これを見ても実に多くの要因がからみあっており,これが最大要因であると特定できたものはないようです.
ただここまで主として薬に着目してみてまとめてきた結果では,高齢化が進展しているところほど,薬が多くなる(高くなる)のは間違いないでしょう. 実際,上記3種の薬の 県民一人あたりの年間薬代と高齢化率をプロットすると,
となり,今までのグラフの中ではもっとも強く相関性がみられます.
ただし,同じような高齢化率であっても たとえば和歌山県と青森県では やはり2倍近くの開きがあることも事実です.今回はデータの集計までにとどまりましたが,いずれ 詳しく考えてみたいと思います.
【このシリーズ 完】
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