糖尿病学会誌

日本糖尿病学会では,学会誌「糖尿病」を毎月発行しています.

(C) 日本糖尿病学会

以前は紙媒体でも発行されていましたが,現在ではオンライン化されて 電子媒体のみとなっています.
学会会員にならないと購読できないのですが,発行後1年が経過すれば,J-Stageから 誰でも無料で閲覧できます

今年の3月号では『多様な糖尿病食事療法の時代 ~多様な選択肢の提示に向けて~』という特集記事が掲載されました.現時点では 非会員は 記事の内容までは読めないのですが,目次を見ると;

序文 特集にあたって
1.糖尿病診療ガイドライン2024での食事療法の推奨
2.エネルギー制限食の医学的根拠と実際的指導法
3.緩やかな糖質制限食のエビデンスと食事指導の実践方法
4.低グリセミックインデックス食の医学的根拠と実際的指導法
5.カーボカウントの医学的根拠と実践的指導法

ご覧の通り,糖尿病診療ガイドライン 2024に準拠して,特定の食事療法だけを推奨するのではなく,カロリー制限食・糖質制限食・低GI食・カーボカウントを並列に紹介しています.

冒頭の序文で,北里大学 山田悟先生は こう述べています.

糖尿病診療ガイドライン2024の章「食事療法」においては それまでの糖尿病診療ガイドラインとは異なり,エネルギー制限食がBMI 25以上の2型糖尿病の血糖コントロールのためにと適応が限定されるとともに,エネルギー制限食以外の複数の食事法が提示され,血糖コントロールに有効とされるようになりました.
  
一方で.多くの医療機関ではなお糖尿病食事療法としてはエネルギー制限食の一択という状況が継続されているように思われます.特に糖尿病専門医が存在しないl医療機関においては.どのような食事法が有効なのかについての認識すらされていない可能性があります.
  
そこで本企画では.とのような食事療法が糖尿病診療ガイドライン2024に掲載されているのかということと,それぞれの食事法にどのような科学的根拠があるのかということ,そして,それぞれの実際の指導法とはどういうものなのか,について論説Lていただくことを企画いたしました.
  
『糖尿病』第69巻3号 p.57

この期に及んでもなお「食品交換表以外は絶対に認めない」という石のような先生には ぜひ一読していただきたい内容ですね.

そして 山田先生は こうも述べています.

同じ2型糖尿病であっても,肥満と非肥満とでは病態が異なるわけであり,日本糖尿病学会の『2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム』がそう示すように,食事療法についても異なるアプローチ・概念があるべきなのかもしれません.

『糖尿病』第69巻3号 p.57

日本糖尿病学会は,2022年9月に,2型糖尿病には 痩せ型と肥満型の2種類が存在するのだから,それぞれに応じて 投薬を選択すべきであると提言しています.
肥満と非肥満とで 投薬選択アルゴリズムが異なるべきだと主張する一方で,食事療法はどちらであっても同じというのはいかにも不自然ではないかというわけです.

実際 私もそう考えて 『2型糖尿病の食事療法のアルゴリズム』を,このように提案しております.

『2型糖尿病の食事療法のアルゴリズム』
2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム 日本糖尿病学会は 昨年9月に,『2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム』という声明を発表しました.(C) 日本糖尿病学会 こ…

カロリー制限食の否定でもなく,糖質制限食 一辺倒でもありません. 病態に応じて 妥当な選択をしてはいかがでしょうかという,ごく穏やかな提案なのです.

  

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