信頼できる糖尿病の情報とは

メディア(新聞・テレビ・雑誌)にせよ,ネットにせよ世の中には多くの『医学情報』『健康情報』があふれています.糖尿病に関する情報もそうです. しかしこれらの情報は大きく二分されると思います. それは【信頼性の高い情報】【信頼性の低い情報】です.

ここで「信頼性の高い」とは,必ずしも「正しい」という意味では使ってはおりません. 「誰が何をどのように調べて,どんな結果が得られたのか,すなわちデータが存在していて,かつ出典が明確であるもの」という意味です. 権威ある有名な専門誌に掲載されていても,それが後に間違いであったり,極端には捏造であったり,というケースは実際に存在します. しかし,それは情報の出所と内容が明確である,という意味において「信頼性の高い情報」としています.

これに対して「信頼性の低い」とは,上記と逆のものです.ぶっちゃけ「いいかげんな情報」という意味です.どんなにもっともらしいことが述べられていても,あるいは学術的に正確なことが述べられていたとしても,データとその出所が不明なものは,『いいかげんなもの』です.

ぞるばが自分は糖尿病らしいと自覚した最初の頃,この二つをまったく区別できずに,情報に振り回されておりました.しかし,多数の情報を集めて比較してみると,同じテーマについて かなり異なる,極端な場合 正反対のことが述べられている. この違いは何なのか,その「根拠に迫る」と,ある情報は その出所が見つかるのに,別の情報はどこまで遡っても 堂々巡りしていて,その「水源」が見つからない,即ち出所不明であることがわかりました. この時点で,情報には 上記の二種類があると実感したのです.

『根拠にせまる』
ネットには,個人のブログであれ,専門医学論文誌のWEBであれ,多くの情報があふれています.ひと昔前までは,個人が入手できる情報は,新聞・テレビ・書籍など,いわ…

 

その一例が「マクガバンレポートでは,日本の元禄時代の日本人の食事は理想食だと絶賛された」という情報です. 

現在でこそ,誰でもインターネットから米国公文書保存館にアクセスして,マクガバン・レポートの原文を読めますが,このレポートが米国上院に提出された 1977年当時には,誰もがおいそれとは入手できるものではありませんでした. もちろん当時でも,渡米して米国議会公文書保存館に出向き,申請書を出して料金を払えば閲覧できたでしょう. しかし,当時そんなことができるのは ほんの一握りの人だけでした.

マクガバン・レポートというものが出されたことは当時の新聞などでも報道はされましたが,ほとんどの日本人は その正確な内容を知るすべはありませんでした. それをいいことに,マクガバン・レポートについては 実に信頼性の低い,つまり『いいかげんな』情報が 当時の日本にはあふれました.
私は マクガバン・レポートの原文全文をダウンロードして,一語残らず検索してみました(*)が,

(*) マクガバン・レポート原文は,現在ではPDF化されており,Acrobatにより 全文の単語検索が可能です.

江戸時代の日本食を絶賛した箇所はどこにもありませんでした. むしろ マクガバン・レポートには『(当時の)日本人は貧しいので,ロンドンの貧困階級と同様に 粗末で塩分の多い食事をしていて,胃がんの発生率が高い. しかし脂質の摂取比率は低いので心疾患発症率だけは低い』と書いてあるだけでした. これを 『日本食はすばらしいのだ』と故意または誤解により 曲解して(そう思いたかったのでしょう),『低脂質の日本食はヘルシーだと絶賛している』と吹聴したのが 今に至るまで続いています.

正しいか正しくないか以前の問題として,一次情報源なのか そうでないのか,つまり『信頼性は高いのか/低いのか』,いつもこれを意識して 情報を取捨選択しています. 信頼性の低い情報は,どれほど すばらしいことが書いてあっても,その場で捨て去っております. そんなものに付き合っていたら いくら時間があっても足りませんから.

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