ぞるばの「正体」?

「しらねのぞるば」という怪しげなブログ主は,高名な先生の覆面アカウントではないかとか,糖尿病学会の会員だろうとか,いろいろと探りを入れるようなメッセージを時々いただきます.

最近も「HbA1cだけを絶対視している医師がいる」と書いたのがカンにさわったのか,そういうメッセージをいただきました. 毎度おおきに.

いろいろ言っていただくのは光栄ですが,ぞるばは一介の糖尿病患者に過ぎません.

「文献を読んだり,学会に参加したりする,そんな患者がいるわけがない」というご意見をいただいたこともありますが,どういたしまして,「そんな患者」が 現に ここに一人いるのです.もっとも糖尿病で通院しているわけではないので,厳密には「患者」ではないですが.

真面目な(でもないか)技術屋上がりですので,分野は違えど英文文献を読んだり,統計解析したり,学会に参加したりなどということには慣れております.

(C) DRN Studio さん

 

そういう技術屋のなれの果てが,糖尿病という分野を 本気で研究してやろうという気になれば,こんなこともやらかしてしまうのです.医師以外が医学文献を読んではいけないという法律はありませんからね.

あえて申し上げれば,ぞるばは工学系ですが,工学分野ではもちろん,理学分野でも,「Science=科学 であること」はもっとも厳しく問われます.実験を行い 地道にデータを収集し,そこから仮説をたてて,更に実験により検証していく...これをくり返して理論を打ち立てていく,これこそが Scienceであると信じています.

そういう感覚からすると,これまでの日本糖尿病学会推奨の食事療法は,Scienceからかけ離れている,と感じたのがこのブログを始めたきっかけです.どうしてそう思ったのかは,この記事(2020/5/12)からこの記事(2020/9/3)までの『食事療法の迷走』シリーズをご覧ください.

憎まれついでにもう一つ. 学会に野次馬参加していると,「この先生は 本当に統計を理解しているのだろうか?」と思うことがあります. 明らかに「相関性」と「因果関係」を混同している発言を聞くことがあるからです.これも 「Scienceしてませんね」と思う理由です.

コメント,メッセージは いつでも歓迎です.

 

コメント

  1. 西村 典彦 より:

    私もよく考えてみると相当、変な糖尿病患者ですね。
    ある時から健康診断、その他でHbA1c,早朝空腹時血糖値、随時血糖値など一般的に糖尿病診断の指標となる数値が高くなって、どう考えても糖尿病だと思い糖尿病専門医を受信しました。結果、その時はたまたま低い値が出て医師からは「このまま、頑張ってください」とそれだけで追い返されそうになったので「絶対糖尿病だからちゃんと調べてください」と申し出て後日75gOGTTを受けた結果「糖尿病ですね」と診断された次第です。いや、だから最初から糖尿病だって言ってるでしょうと言いたかったのはグッと抑えて「ほーら、自分の方が正しいじゃん」となぜか糖尿病だと言われたのが嬉しかったのを覚えています。目的は保険適用での薬の処方ですが、病気と言われて嬉しい時点ですでに変ですが、さらに「薬はこれこれの低容量のものを処方してくれ」とか「食事は糖質制限食で行きます」とか医師から押し付けられる前に自ら要求する、まぁ医者からは呆れた患者だと思われていたはずですが、その頃、まだ珍しかったリブレを私費で使っていたので興味を示した看護師さんに使い方や問題点などをレクチャーしたり、食事内容と血糖値、体重変化などの関係をグラフにして持ち込んで医師に説明したりと兎に角医師には煙たい存在だったはずですが、結果が出てる以上、糖質制限反対だった医師も強くは言えなかったようで数年の間には特に反対もしなくなりました。
    世の中にはぞるばさんにも劣らない、こんな変態な患者もいるのですwww

    • しらねのぞるば より:

      >医者からは呆れた患者だと

      その時,医師は どういう理由を挙げて 糖質制限食に反対したのでしょうか.
      先日 「網膜症出血中」様からいただいたコメントのように;

      https://shiranenozorba.com/2024_07_09_result_of_doctor_recommended_diet/#comment-1112

      やはり 食後高血糖をスルーして説明したのでしょうか?

      • 西村典彦 より:

        「糖質制限食は高タンパク食で腎臓に負担をかけるので将来腎症になる(可能性がある)」という説明で、私が「高炭水化物では血糖値が高くなるんですけど」と言うと「それでも炭水化物を食べなさい」と言う回答でした。将来あるかどうかもわからない腎症のリスクのために目の前のはっきりしている高血糖のリスクを選択しろと言うとんでもないものでした。当然、無視しましたが、どうしてもPFC比率を守って、それで血糖値が高くなるのであれば、総量を減らすカロリー制限、それでもダメなら薬物治療すると言う事だと思いました。ただその時の私の体重は標準体重でしたからカロリー制限したら痩せて筋肉量も減って基礎代謝が落ちるといった負のスパイラルになったと思います。そもそもカロリー制限なんて人間の食欲と言う生理現象を無視した拷問が続けられるはずがありませんから、いづれ薬物治療になるのは明白ですね。

        • しらねのぞるば より:

          >どうしてもPFC比率を守って

          もっともエビデンスを重んじるADAが,『すべての人に 最善・最適なPFC比率など存在しない』と結論付けているのに,それでも死守しようとするのは 結局は栄養学の知識がないことを白杖しているようなものですね.発行の遅れている治療ガイド2024-2025でも 従来の記述を押し通すのでしょうか.

  2. highbloodglucose より:

    ふふふ。
    まあ、ぞるばさんほど上手に噛み砕いて丁寧に説明してくれる人は希有なので、医師と間違えられても不思議じゃないかもですね。それも、糖尿病専門医の重鎮と間違えられるなんてねw

    世の中には、工学・農学・理学・薬学などの修士・博士号を持っている糖尿病患者もそこそこ存在するはずですからね。いわゆるMD, PhDでない医学博士だっていますよ。たまたま基礎研究室が医学部所属だったら、そこの大学院を卒業すれば医学修士・医学博士になりますもんね。この場合の医学博士は、「足の裏の米粒」ではないですよ。
    そういう人たちが本気で糖尿病のことを知ろうと思ったら、当たり前のように学術論文を読みますよね。論文に記載されたデータの読み方を知っているし、「批判的吟味」もできます。なんせ、ジャーナルクラブで鍛えられるから。(ジャーナルクラブ・抄読会って、理系大学院生ならみんな経験する…のかな?)
    分野は違えど学会発表の経験もあるだろうし、学術集会自体に恐れを抱くことはないでしょう。しかも、単に聞きに行くだけだし。まあ、参加費を払って交通費と宿泊費をかけて参加するほどの酔狂な患者は、ぞるばさんくらいかもしれませんが。(その価値がある、というのも分かります。でも、そう思っている参加者はぞるばさんくらいかも。一番熱心な参加者ですよねw)
    今年の糖尿病学会では、糖尿病患者が招待されて、自由に講演を聴くことができましたよね。一歩進んで、患者のポスター発表なんてのもあると面白いかも。いろんな食事で血糖値を測定した結果、運動の効果など、自分自身のデータを公開して、主治医以外の医師からも広く意見をもらうとか。「この食事内容で、食後4時間に血糖値のピークが来るのはなぜなんですかね?」とか、「肉だけ食べても血糖値がめっちゃ上がるんですけど、どうすればいいんですか?」とか、いろいろ聞いてみたいです。(そこで、「肉を食べずに米(炭水化物)を食べればいいんじゃない?」とか言う人がいれば、張り倒してしまうかも…)

    患者が論文を読むことについて、嫌がる医師は多そうな気がします。医師は多忙なので、最新論文をフォローするのが難しいことは理解できます。だから、医師が最新論文を知らなくても、それをバカにするつもりはありません。こちらとしては、こんな論文があったんですけど、このデータについてどう思います?という議論がしたいだけ。でも、患者からそういう話をすると、マウントを取っていると思われるんですよね。医師が知らない話を患者がしてはいけないというルールがあるようです。なので、新しい知見を仕入れていても、医師の前では無知を装う必要があるんですよね。まだ習っていない漢字を書いたら×になる、小学生みたいですね。

    それに比べて、医師同士は仲が良さそうで羨ましいです。好き放題主張している高血糖・高血圧放置の某精神科医なんて、いざ倒れたら仲良しの医師が全力で助けてくれるのでしょう。現在の医療のガイドラインに反することを散々述べていても、医師仲間から完全にハブられることはないのはなぜ?と思います。一般の患者があんな主張をしていたら、担当医はめちゃくちゃ機嫌悪くなりますよね。

    • しらねのぞるば より:

      >噛み砕いて

      世のため人のためではなく,なにしろ 医学知識ベースがゼロの状態で文献を読むわけですから,どうしてもそうなってしまいますね.噛み砕いて,乳鉢ですり潰さないと理解できないw
      ただ不明な医学用語・生化学用語があっても,文章の構成からみて これは良く知られていることなのだろうとか,これは多分 著者独自の主張なのだろうなどとは推察できます.この見分けは 科学分野の論文であれば共通しています.

      >酔狂な患者

      ですね.ぞるばの希少性とは まさにそこです.そして それだけです.

      >患者のポスター発表

      日本糖尿病学会がIDFに加入申請のためIDFを訪問したいと伝えたら,IDFは 学会員・医師だけでなく レイマン,つまり一般人の同行を要求したそうです. 治療側と治療される側 双方の参加が必須であるという姿勢だったのですね.
      医学分野に限りませんが,日本では学者・専門家がギルドを作って 素人に立ち入らせないと風土があります.

      >張り倒してしまうかも

      ポスターの脇に ハリセンも準備しておきましょう.

      >患者が論文を読むことについて、嫌がる医師は多そうな
      >マウントを取っていると思われる

      まあ,これは もしも私が医者だったらやっぱり不快に思うでしょうね.特に 開業医は 最新論文を読むことの意義は理解はしていても,そんな時間がとれない,そこに 患者が論文コピーを持って現れたら,カッとしてドタマに注射してやろうかとw そういう医師もいるでしょう.

      >高血糖・高血圧放置の某精神科医

      一方で多くの医師は 近藤誠医師には敵意をむき出しにしましたね, 某精神科医は 決して 標準治療を否定はしていない. ただこだわる必要はないというスタンスです. しかし 近藤理論は 日本の正統的医療を否定した,メンツを潰そうとしていると受けとった. 両者への態度の違いはそこにあるんじゃないでしょうか.
      同じことは 糖質制限食を提唱した江部先生への 学会の敵意についても言えますね. 従来理論への挑戦ではなく,メンツを潰されたという感情的反発がまず先に立ってしまった. 2010~2013年頃の学会会場の雰囲気は 本当にひどいものでした.

  3. かかか より:

    内科の専門医の先生が学会に行くと言うので、「学会ってお医者さんばかりですか」とぞるば様を思い浮かべながら聞いたことがある。「大半医者、たまに業者。もっとたまに患者さんとか家族とか。でも交通費やら15000円払ってまで参加する人は滅多にみない」と。ぞるば様はその「滅多に見ない人」になりますねw

    > 素人に立ち入らせないと風土があります
    そうですね。患者本人や患者家族、業者さんにはその病気だけに関して、とても詳しい人はいますし、自分の体の個性をよく知っている人はいますよね。専門でないと、血糖値は皆んな食後30分が一番高いと思っている医師もいますし。
    そして、人によるけれど医師に限らず有資格者ほど「素人が偉そうに」と言います。自分の体を他人である医師に丸投げすることはできないのに、と思ったりします。ある薬剤師さんが「患者さんがプリンペランとナウゼリンの違いを聞いてきた。素人のくせに」と。自分の体の中で起こっている現象や服用薬について知りたいのは至極当たり前で、噛み砕いて説明してあげるのが、薬剤師の仕事では?と思ったものでした。
    この風土、ほんとにどうにかなりませんかね。

    • しらねのぞるば より:

      >滅多に見ない人

      そうですね.学会会場でも 場慣れしていない参加者はたまにみかけますが,それは 今回初めて参加したという若い人くらいですね.
      私が 今度参加する時は「患者ですが 何か?」という鉢巻でもしめてみようかしらんw

      >噛み砕いて説明してあげるのが、薬剤師の仕事では

      「この薬は血が固まるのを防ぎます」「これは血圧を下げる薬です」 こういう説明だけで納得してほしいのでしょうね. 『なぜ?』と尋ねられても,どの程度の解説から始めていいのかわからないし,面倒くさいだけだと.

  4. かかか より:

    ぜひ鉢巻でお願いしたいです。
    滅多に見ないどころか、「初めて見たすごい人がいた」と先生から聞けるかも知れませんw