[第55回糖尿病学の進歩]感想記事(5) 食事療法関係

本日で『第55回 糖尿病学の進歩』の講演 全156本中,89本を聴講し終えました.

食事療法関係

食事療法に直接又は間接的に関連する講演は下記の9本でした.

P/F/C比率が消えた

既に『食品交換表』という名前が消えたことは,この記事でもご紹介しました, つい数年前までは,このように

『食事療法では,炭水化物比率 50~60%は必須である』と,強調されていました.しかし今回の講演会では,上記9本の講演のどれでも,もはや『蛋白質(P)/脂質(F)/炭水化物(C)比率は こうしなければならない』という表現はいっさいなくなりました.『食品交換表』だけでなく『理想のP/F/C比率』という概念も姿を消したのです.

高齢者には

代わって強調されたのは,高齢者のカロリー設定と蛋白質摂取量です.

かつては,年齢にかかわらず全員がBMI=22の体重にせねばならないとしていましたが,高齢者ではそれをBMI=22~25と幅を広げ,しかも総死亡率の低いBMI=25を目指す方がよいとなりました.また,高齢者のサルコペニア予防対策として,若者よりもむしろ多いくらい(1.0~1.2g/kg体重)の蛋白質を摂るべきことが強調されました.

年齢に依らず,一律のカロリー設定,一律のP/F/C比率としていたかつての原則から様変わりして

  • 中年まではメタボ対策を第一に
  • 65歳からはサルコペニア対策を第一に

となりました.

ルールは変わったのです.

[感想-5]

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