教科書には こう書いてありますが
食後に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます
厚生労働省「e-ヘルスネット」インスリン
たしかに膵臓の本質的な機能としてはそうなのですが,そうであれば たとえば血糖値が200と非常に高い時のインスリン分泌量は,血糖値が150くらいの時のインスリン分泌よりも多いはずです. つまり インスリン分泌量は血糖値に比例するはずです.
現実は
たしかに,納先生のHPに掲載されている『健康で正常な』人の糖負荷試験結果を見ると,たとえばこの例のように;
まったく文句のつけようのない理想的な分泌パターンを示す人もいます(うらやましい).しかし,一方で;
この人の場合,血糖値が140前後の時が3回あるのですが,インスリン分泌量は3回ともまるで異なります.しかも最小と最大では2倍近い開きです.
この人の膵臓が3つあるわけではないのですから,同じ血糖値におけるインスリン分泌量が血糖値だけで決まっていないことになります.
3つの環
前回記事にも書きましたように,糖負荷試験中の血糖値とインスリン量を縦横にプロットすると,理想的には直線関係になる(=血糖値が同じならインスリン量は同じ)はずなのですが,実際には大きな円を描いたり,直線と円の中間の楕円状になったりしている人の方が 圧倒的に多いのです,これは偶然とは考えられません.
[10]に続く
コメント
>食後に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます
「気温が上がると皮膚が感知し、汗が出ます」
きっとこれくらい普通の事なのでしょうね。「ちゃんと汗が出て羨ましい」などと言われた事はないし、汗がきちんと出て体温を調節している事に感謝した事もないのですが…
インスリンがちゃんと出る体、羨ましいですね。
猛暑の中,エアコンを点けずに熱中症でなくなる高齢者は,加齢により暑さを感じにくくなったことが原因ですが,一方で どんなに暑くても汗をかかない人,すぐに『暑い暑い』と騒いで 滝のような汗をかく人がいます.
どこまでが老化で,どこまでが個人差なのか,そして どちらでもない病的症状なのか,人間の反応を理解するのは一筋縄ではいかないですね.