自宅で簡単にできるレジスタンス運動として「階段昇降運動」を提唱されている名古屋市立大学 高石鉄雄先生の論文を紹介してきました.
こう見えても 若い頃には 大阪市山岳会に所属していた[*]しらねのぞるばは,足腰には多少自信があるので,早速この方法を試してみました.
[*] ネタです.この記事のコメント参照
実験方法
食後90分経った時点で,100段/分の速度で階段を上り,階段上でUターンしてできるだけ速く(しかし安全に注意して)下りる,これを5分間繰り返すことにしました.
問題は食事の選択ですが,以前実験してあえなくグルカゴンに敗退した,[レトルトカレー + もち麦] を食べることにしました.
この時の結果は,β-グルカンが豊富という「蒸しもち麦」だったのですが,カレースパイスによるグルカゴン分泌促進の方がが優勢で,血糖値はここまで上がってしまいました.
これを階段昇降運動でリベンジしようという計画です.
ただし今回は『蒸しもち麦』がなかったので,代わりに 普通のもち麦を湯取りした『茹で もち麦』(50g;乾燥状態)を使いました.
(C) はくばく
前回の マルヤナギ 「蒸しもち麦」よりは 多少糖質が多くなっています.
結果
まず,階段昇降運動 前後での心拍数・血圧 変化を示します.
たった5分間ですが,うっすらと汗ばみ,感覚的には「運動したな」という気分です.この心拍・血圧変化は,私には軽いランニングと同じような程度です.
血糖値の結果は下の通り.
糖質量が違うので,前回との直接比較はできないのですが,点線で示しました.今回の方が糖質が多いので,60分では前回より高いですが,120分では明らかに低く,この階段昇降運動は『効果あり』でした.グルカゴンへのリベンジは成功です.
なお『運動をした直後は食後血糖値が下がっても,その後リバウンドした』という人もおられるので,念のため4時間まで見ましたが,私の場合はリバウンドしませんでした.
注意してください
100段/分という速度は,駆け上がるというほどではありませんが,普通の速度ではありません. 階段の転落事故が起こっても不思議ではないです.
ただ我が家の階段は,建て替えるときに建築設計士に『将来 ヨタヨタになっても,安全に上下できる階段にしておいてください』と頼んだので,下図のように 一般住宅としては緩やかで路面(ふみづら)も広くとってあります.
特に 階段の1段あたりの高さ(蹴上:けあげ)は多くの住宅では 20cmくらいが普通です.3階建てなどで階段面積をできるだけ節約している場合は,建築基準法の限度いっぱいの23cmなどというものもあります.『安全面を最大限考慮した階段』とは,蹴上=15cm,路面=27cm と言われています.実際 駅の階段はこれくらいにしてあります. さすがにここまでは無理としても,傾斜がきつく 路面の狭い階段では,この階段昇降運動は非常に危険ですので断念してください. また らせん状の階段は,着地面が三角形だと踏み外しやすいので,やはりこの運動には危険でしょう.
[3完]
コメント
私は朝食後に通勤で
自宅から駅まで徒歩10分→電車35分→駅から徒歩15分で職場
と言うような日常ですが、通勤中に一旦血糖値が少し下がります。そして職場でボーッとしてると再び血糖値が上がります。山が二つできます。電車ではボーッとしてるだけなのに山は3つになりません。不思議ですね。
リブレでなければ満員電車で血糖値は計りづらいのでこんな細かい変動はわからないでしょうね。精度と値段には不満があり、ホントは傾向がわかったらやめようと思ってたんですが、傾向なんてないに等しいと分かってからはやめられなくなりました。来年には定年退職と言う身分では出費が心配です。
たしかに リブレを付けると,食事や運動とは無関係に起こる血糖値変動も見えてくると思います.
有名な話では 教育入院中にCGMを付けたまま外出した女性のケースです. 外出中 短時間に急激な血糖値変動が記録されていたので,医師が『外で食事をしましたねっ!』と問い詰めると,答えは『していません. ファッションショーを見ただけです. すごく楽しかったわ』
リンクdeダイエット(3月5日)に気になる内容が掲載されていました。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=69726&-lay=lay&-Find.html
「 朝食をたくさん食べる人は、2倍のカロリーを消費する!?」
と言うもので最も気になるのは
>食後高血糖と高インスリン血症は、朝食後には夕食後に比べるときわめて低かった。
と言う下りです。
私の計測データとはまるっきり正反対で、私は、もし同じだけの糖質を摂取したとすれば朝の食後血糖値がずば抜けて高く、夜は反対に全く上がらず下がる一方と言う事さえあります。
被験者は、健常人でしょうから、糖尿人とは1日の血糖値の上がり具合がまるっきり違うんでしょうか。私の知る限り、朝が最も耐糖能が悪いと言うのは半ば常識だと思っていたのですが。。。それともアルコールのせいか。。。
>リンクdeダイエット(3月5日)に気になる内容
原文はこれですね.
Twice as High Diet-Induced Thermogenesis After Breakfast vs Dinner On High-Calorie as Well as Low-Calorie Meals
https://academic.oup.com/jcem/article-abstract/105/3/dgz311/5740411
朝食/昼食/夕食のカロリー比を,11/20/69 及び 69/20/11 とした場合を比較しています.カロリーに大きな差をつけているので,少食はほとんど絶食に近いとみなすと,絶食状態から食事を摂った後は,寝てしまうよりも動きまわる方がよいというのは理にかなっていると思います.
>朝が最も耐糖能が悪い
私の場合は,1日の最高血糖値は ほぼ100%昼食後1hrです. まあ,夕食後低いのは西村様と同じくアルコールだと思いますが.何しろ食後1hrが食前より低いことも珍しくないのでw
踏み台昇降運動でも効果ありそうですね。
踏み台昇降は,「昇る→下る→昇る→下る... 」ですが,階段運動は 「昇る→昇る→昇る→...それでもまだ昇る 」なので,太もも(特に大腿四頭筋)への負荷は格段に高いと思います.
ただし,踏み台運動は,高さを変えれば 負荷の程度を連続的に調節できるのがいいところですね.そしてもちろん安全です.