【炎上 必至】東京と大阪の食文化

大阪に「帰って」きました.
私は生まれも育ちも関西ですが,就職してからは関東住まいで,もう数十年にもなり,関東住まいのほうが長くなりました.しかし,今でも新幹線に乗って 大坂に向かう時は『大阪に帰る』という心境です.

なぜそうなのか考えてみると,こちら(首都圏)で関東の人と一緒に食事をする際に,いつも違和感を感じてしまうからです.

東京の食文化

とにかく東京は上品で垢抜けしています. 高級レストランから庶民派食堂までレパートリーも広い. ただ 関東の人(とあえて決めつけますが)は,タキシードを着て蝶ネクタイをしたウエイターが「いらっしゃいませ」と迎えてくれて,うやうやしく料理を運んでくる,そういうお店での満足感と,おばちゃんが親指を丼につっこんで,ドンとテーブルに置くラーメンを食べた後の満足感とに,【上等感】が違う,すなわち店の雰囲気が その店の『格』であると思っていないでしょうか? 図にするとこんな感じです.

高級な店は,味もさることながら,その店の格も決めてなのだと.

大阪の食文化

(C) K.M=KARIBITO さん

上にあげた図を,反時計方向に135°回してみてください.

大阪では,『高くてうまい』『味も値段も並』『安いけどまずい』,この3つは等しく【並のレベル】にすぎません.高い金を客に払わせるのなら,うまいものを出すのは当たり前だからです.本当に価値を認めるのは『安くて めっちゃおいしい』だけなのです.まして,高くてまずかったら,それはもはや犯罪行為です.

「高級レストランはボッている」とか「高い割には味がよくない」と言っているのではありません.念のため. ただ 味はすばらしいが,お値段もすばらしい,その点では 「値段相応」であり,値段相応という意味では 並みの味・並みの値段の店 と同じ価値と思うのです. これはその店が東京にあろうが大阪であろうが同じです.

味がよいか悪いか その絶対値に価値を見出すのか,そうではなくてコストパーフォーマンスを重視するのか,後者が 商人の街 大坂の貧乏庶民です.

したがって,時たま 職場の同僚に誘われて,高級割烹店での食事をした時などに,なんとなく納得できないものを感じるのは,この価値観のせいだと思います.同僚たちは「いやあさすが老舗は違うなあ」と満足の様子ですが,私は値段相応の当たり前のものを食ったにすぎないと思うからです.関東にも安くておいしい店は多数あります. 関西カルチャーの私にとっては,そういう店の方が満足度が高いのです.

では京都はどうなんだ

あ,そうそう,『じゃあ同じ関西でも,京都の[おばんざい]料理はどうなのか』ですって? あれは純粋に観光客がいだいている京都のイメージに合わせて作られたものです. 「京風ラーメン 」 などという不思議なものも同様です. あんなもの京都のお人は普段食べてはらしまへん.嘘だと思ったら 京都の東大路三条 南西角の『マルシン飯店』の日替わりランチをぜひ一度食べてみてください.実に安くておいしい,これこそ 関西の食堂の王道です.

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