答えはすぐに出せる
ヒトのDNA全配列が解析され,しかも それが短時間で安価に行えるようになると,世界の糖尿病医学者は色めき立ちました.
正常な人,そして糖尿病の人のDNAを片っ端から全解析して,『一致しない部分』を探し出せば,
その一致しない部分が,糖尿病になるかどうかを決定している遺伝子のはずだからです
この時代の文献や報道を見ると,『近い将来は,生まれてきた赤ん坊が将来どんな病気にかかりやすいかを調べて,事前に手を打てる』と盛んに書かれています.
糖尿病の遺伝子 発見!
ヒトのDNA全解析以前の時代にもいくつか 『糖尿病の人に多い遺伝子変異』というものは知られていました.
しかし,当時の技術では 数年に1回ほど そういう情報が出る程度でした.
ところが DNAの全解析が可能になると,続々と『糖尿病に関連する遺伝子』発見の報告が相次ぎました.
これはほんのごく一部です.
この種の 報告は数100件以上あります.
遺伝子 大杉
この種の 報告は数100件以上あります.
そうなのです. 報告されたということは,つまりはそれだけの数の『糖尿病に関連する遺伝子』が発見されたということです. 現在 その総数は300~400もあるのです.
私が 学会で初めてこの話を聞いた2013年( 第56回 日本糖尿病学会:特別シンポジウム4『糖尿病関連遺伝子研究の進化』)の時点では,その数は70~100でした.それから8年でこれだけ増えました. このままでいけば,まもなく1,000を越えるでしょう.
しかしですね,
そんなに沢山の変異遺伝子を持っていないと 糖尿病になれないのでしょうか?
いくら何でも多すぎです.どうしてこうなったのでしょうか?
[4]に続く
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