ジワジワ来るメトホルミン[2]

前回記事で;

徐放性メトホルミンXRは,空腹時と食後服用とで 服用後血中ピーク濃度時刻にかなりの差があると報告されていました.これは 試験に用いた食事が高脂肪食であったため,それらが胃から排出されるのが遅かったためと推測されます.ただ 記事で引用した文献によれば;

Idkaidek 2011

徐放性XRの完全溶解には 服用後10時間ほどかかったと報告しています.

Idkaidek 2011 Fig.2

なので,海外,特に米国で 即放性IRメトホルミンよりも,この徐放性XRがよく使われるのは,1日1回の服用が可能となるので飲み忘れを防げること,そして メトホルミンの濃度が急増/急減しないため,副作用が穏やかになると期待されている(実際にもそう)からです.

ところで,食後の高血糖について,食後2~3時間までの血糖値上昇は 食物由来のものだとしても,食後からはるかに時間が経過して なお血糖値が高い,もしくは上昇してくるケースがあるのは糖尿病患者の 煩わしい悩みです.

とっくに食物の消化・吸収は終わっているのに血糖値が高い/上昇してくるというのは,もはや食物由来ではなく,グルカゴンによるものではないでしょうか?

食後の血糖値上昇が収まり,消化管は休んでいるはずですから,インクレチンや もちろんインスリンの分泌は低くなります. そして人体は空腹に近づいたと判断して,グルカゴンの分泌を始めるでしょう. このグルカゴンによる血糖値上昇作用は,健常人ならば,相応する基礎インスリン分泌増加(緑点線)でバランスをとりますが,2型糖尿病では(食後の血糖値上昇と同様に)インスリン分泌が少なく遅延するために,グルカゴンとつり合いがとれないのではないか?

この時のグルカゴンによる血糖値上昇の源泉は,肝臓でのグリコーゲン分解+糖新生です. そうであるなら徐放性XRメトホルミンで,肝臓での糖新生を抑制気味にしておけば,この『食後の謎の血糖値上昇』が防げるのではないでしょうか?

  

  

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