『暴論ブログ』なので,いまさら ことわる必要はないのかもしれませんが,本日の記事は100% しらねのぞるばの主観に基づくものであり,現時点では根拠のかけらもありません. 皆様からお寄せいただいたものを含め,できるだけ多数の糖負荷試験データからパターン解析して,その根拠にしようともくろんでいたのですが,とりかかってみると結構壮大なボリュームになることがわかってきたので,とりあえず 今の時点では『本当はここまで行きたいのです』ということのみお知らせしておこうと思います.
Ahlqvist博士の 糖尿病新分類
以前の記事 にてご紹介した博士の論文は,私には衝撃的でした[*]. 【2型糖尿病などというものは存在せず,複数の異なる病気がまとめてそう呼ばれていたにすぎない 】 のだという指摘です.
[*] もっとも最近届いた 次回糖尿病学会の抄録集を見ると,日本の学界は まるで気に留めていないようですが.
ただ,この新分類を見ての第一印象は,『たしかに 巨漢で丸太のような腕っぷしの白人の場合はこうかもしれないが,日本人(=多分東アジア人)の場合は別の分類,あるいはこれに付け加わる別のパターンの病気があるのではないのか』ということです. たしかに,この分類の「Cluster 2: 重度インスリン分泌不全糖尿病」は,BMIが低いタイプですから,一見 日本人に該当しそうにも思えますが,糖尿病発症後急速に悪化するとか,網膜症の合併症が飛びぬけて高いとか,あまり日本人にはあてはまらない特徴もあります. むしろこれは極端な栄養不良が継続した場合の糖尿病(いわゆる Tropical Diabetes)のことではないかと思えます.
しらねのぞるばの 糖尿病新分類
上の見出しにつられてこう書いてしまい,さすがに我ながら良心に恥じていますが,要はこうなのではないでしょうか[下図]?という仮説です.これを裏付けるようなデータがないかと探し求めてきたわけです.
つまり,白人(コーカソイド)の正常人と,日本人の正常人の位置,すなわち【原点】は最初から全然違っており,そこから 肥満によるインスリン抵抗性発生なり,インスリン分泌能低下(または感受性減弱)なりが原因で,それぞれの矢印に沿って進行していくのではないかという仮説です. これなら 同じような血糖値プロファイルでありながら,インスリン分泌の量とパターンがまるで異なっていても,ごく自然に説明できるからです.肥満による糖尿病進行は,白人と同じ向きのベクトルであり,病態も似てくるのは当たり前でしょう. しかし,左上に向かう進行,これが欧米の研究者には見えていないものだと思っています.
この仮説は,今やっているパターン解析に目鼻がつけば,もう一度検証してみたいと思います.
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