【この記事は 第29回 日本病態栄養学会年次学術集会のレポートではなく,オンライン講演を視聴した ぞるばの感想です】
管理栄養士と病態栄養専門医のための 年に1回の 日本病態栄養学会 第29回年次学術集会の現地開催は 1/30~2/1に行われました.
現地参加者は 2,957人であったと発表されています.オンライン参加が行われていなかった頃の参加者は 毎回 4,000~5,000人でしたから,おそらく2,000人ほどは オンラインのみの参加者だったのでしょう.
ぞるばは 今回は現地参加はせず,2/6から始まったオンラインのオンデマンド配信を視聴中です.
今大会の会長を勤められた 東京医科大学 菅野 義彦先生は,この記事でも紹介したように;
日本の医学部で まともな栄養学教育が行われていないのは;
- 教える時間がない[過密カリキュラム]
- 教えられる人がいない[臨床栄養専門家がすべての大学にいるわけではない]
からであると 憂えていた先生です.
つまり 現在 日本のほとんどの医師は 栄養学には非常に疎いのです,上記の記事にも書きましたが,毎年の医師国家試験においても,臨床栄養に関する問題が 一応は出されます.しかしその問題は,管理栄養士国会試験のそれに比べれば はるかに簡単なレベルのものなのに,正解率は低いそうです.
医師がこのレベルであれば,やはり現場の栄養指導・食事相談は管理栄養士の腕にかかっています.
そういう背景もあり,今大会では 管理栄養士主体のこの学会に新しい風を吹かせるため,菅野会長は数々の企画を立案されました.
この企画もその一つです.
特別企画 【大会長と話そう】
学会というと,エラい先生が高い壇上から講演し,それを清聴した後に
ただいまより 会場からの質問を受け付けます.質問者は 所属・氏名を名乗ったうえで ご質問願います
この堅苦しい雰囲気の中で,ふと浮かんだ疑問などを気軽に質問できるでしょうか?
菅野会長は,従来の学会スタイルではざっくばらんな議論などできない,参加者に『学会に参加してよかった. 面白かった』と思ってもらえるようにすべきだ,と 実にあれこれと工夫を凝らしました.
この企画も その一つで,いかにも学会らしい 堅苦しい質疑応答ではなくて,雑談雰囲気で気軽に話そうではないか,と呼び掛けたのです.まったく議題やテーマを定めず,会場の一室で 自由参加でフリーに話そうという企画です. 分野を問わず,これまでのどの学会にも なかった発想ですね.

そこで,実際に行われた様子をオンライン動画で見ると,話はあちこちに飛んだものの,現役の管理栄養士のホンネがうかがえる内容でした.
まず会長から,前回の学会参加者へのアンケートから,参加者の年齢別分布が示されました.
そこでは 意外にも 参加者の中心は40,50代で,20,30代の(つまり若手の)管理栄養士の参加が相対的に少なかったのです.これはなぜだろうか,またどうしたら もっと若手に参加してもらえるだろうか.学会の学術集会に参加すれば,学会の年会費に加えて,さらに学術集会参加登録費,場合によっては 交通費,宿泊費など 最低3万円はかかるのだが,それに見合う何を期待しているのだろうかと,話の口火を切りました.これに対して,会場からは;
[学会に参加する動機]
・自分の担当している患者の病気について,ハイレベルの情報が得られるため
・まだ広く知られていない 最新の情報が聞ける
・学会に参加して 専門知識を深めたという自己充実感
[学会にあればよいと思うもの]
・ハンズオン(体験)ができるといい. 管理栄養士は,医師・看護師が行う医療行為を 普段 見聞きはしているものの,実際に自分がやったことはない. 自分の血圧を自分で測るのと,他の人の血圧を測るのでは ずいぶん違うだろうから.
などという意見が出されました. この会場には 次回(第30回),次々回(第31回)の学術集会の会長も来ており,ここで出された意見を プログラム企画の参考にしたいと述べておりました.
なお次回の学術集会は,大会会長は選ばず,学会の会員自身による運営グループが担う予定です[抄録集 p.82]. 管理栄養士が主体的に動いてほしいということなのでしょう.
来年は現地参加すると面白そうです.


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