2019年 結果まとめ【補足】

ご質問をいただきました

前回の記事について,

この血糖値変化から見ると,HbA1c=5.2%は低すぎるのでは?

というお問い合わせがありました.

たしかにこのグラフだけを見れば

そういうことになりますが,この測定は1日 24時間の内,血糖値が上がるであろう時間帯のたった10点だけを測定した結果です.つまりそれ以外の空腹時間帯や睡眠中のデータは表示していません.

で,実際 この10点以外ではどうなっているのかですが,私は 間食は一切しません. また 時々 深夜に目覚めたときには血糖値を測ってみることもありますが,ほとんどの場合 80~90(過去の最高値は96)でした.よってそれらの時間帯は食前空腹値とほとんど変わらないと推測されますので,上記のグラフを無理やり24時間に拡張するとこうなるはずです.

平均すれば私の24時間の血糖値の動きはこういうものでしょう.この場合 平均血糖値は100くらい(緑の点線)です. もちろん,リブレなどを装着してみれば,ひょっとしたら「食物由来ではない,謎の血糖値変動」があるかもしれませんが,実測HbA1cが5.2%ということは,このグラフと矛盾していません. 逆に言えば,HbA1cからみても,この10点以外の時間帯での血糖値は高くないことを裏付けています.

HbA1cはかなりアバウトです

この記事でも紹介したように;

多数の糖尿病患者の血糖値を厳密に3か月間連続測定してみて,最後に全員のHbA1cを測定してみたところ,

Diabetes Care 2008 Aug; 31(8): 1473-1478.

と,HbA1c=7.0%の人でも,その 実測 平均血糖値には130~200までのバラツキがありました.つまり,よく『HbA1cから平均血糖値が計算できる式 』(上図の直線と式)が使われますが,すべての人がピッタリこの線の上に乗るわけではないのです.むしろ線上に乗る人の方が稀です.

【HbA1cが同じでも,平均血糖値は 人によって かなり異なる】

のです.

AさんんとBさんのHbA1cがピッタリ同じであっても,二人の平均血糖値までピッタリ同じとは限らないのです.
医師でも(たとえ糖尿病専門医であっても),『HbA1c=平均血糖値   誤差はゼロ』 と思っている人は多いので注意が必要です.

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