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インスリン抵抗性を考えてみました[9] 指標は換算値ではありません

HOMA=HOmeostasis Model Assessment(恒常性モデル評価)は,クランプ試験のようにインスリン抵抗性・インスリン分泌能を実測するわけでもないし,間接測定法ですらありません.HOMAは,クランプ試験と『よく相関する...
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インスリン抵抗性を考えてみました[8] HOMA-βは要注意

HOMA-β 日本人には 要注意 このシリーズでは,インスリン抵抗性と並んで HOMAの もう一つの側面=HOMA-β(インスリン分泌能)については 故意にふれてきませんでした. なぜならHOMA-βは日本人に適用する際には 特に注...
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インスリン抵抗性を考えてみました[7] 現在はHOMA2に

HOMA-R式のメリット・デメリット 精度はかなり劣るものの,1回の採血で患者の インスリン抵抗性を推定できる HOMA-R式は,使い勝手のいいものです. しかし,以下のような問題もあります. HOMA-R式は,...
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インスリン抵抗性を考えてみました[6] 単純肥満性糖尿病が『治る』ワケ

HOMAのグラフは,Ahlqvist分類で,MOD (=Moderate Obesity Diabetes:軽度肥満糖尿病)が なぜ比較的 『簡単に治る』のかも説明してくれます. 私はこれを『単純肥満性糖尿病』と呼んでいます ...
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インスリン抵抗性を考えてみました[5] HOMAの計算結果

『血糖値変動にかかわるすべての臓器の動作を数式で表して解析する』これが HOmeostasis Model Assessment(恒常性モデル評価)です. 血糖値が高くなれば,インスリン分泌が多くなり,各組織での糖取り込みが...
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インスリン抵抗性を考えてみました[4] クランプをHOMAで推測

インスリン抵抗性を正確に測定するには,まかり間違えば命掛けのクランプ試験しかない,というのが前回記事 でした. しかし,この方法を実際の糖尿病患者の診断に使うわけにはいきません.そこで 考え出されたのが HOMAです. Hom...
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インスリン抵抗性を考えてみました[3] 実際に測ってみましょう

クランプ試験 インスリン抵抗性を実測する方法は,『クランプ試験』しかありません. それ以外にも 間接的な測定法や 推測法はあるのですが,直接測定できるのはこのクランプ試験だけです. 糖尿病医学の大御所 DeFronzo博士が考...
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インスリン抵抗性を考えてみました[2] 肝臓のピンハネ

前回記事の図を作成していて気づいたのですが, ネット情報や,病院が患者向けに作成したパンフレットでは,話を単純化するために,『食事を消化・分解して小腸から吸収されたブドウ糖(血糖)などの栄養分は,小腸からそのまま全身を循環し...
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インスリン抵抗性を考えてみました[1]

インスリン抵抗性 この言葉は糖尿病患者なら,一度は主治医から聞かされた言葉ですね. せっかく食後に膵臓がインスリンを絞り出してくれているのに,体内の筋肉などの細胞がそれを受けとって 血糖を吸収してくれない.これが『インスリン抵...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[11完] 違う病気を同じ名前で呼ぶ弊害

前回記事では BMIが31以上という高度肥満の人が,2週間の肥満治療(=超低カロリー食+運動療法)で,体重が 3%減っただけなのに,糖負荷試験で『糖尿病型』から『境界型』に改善しました.しかも血糖値が下がったにもかかわら...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[10] 簡単に治る『単純肥満型糖尿病』

簡単に『治る』単純肥満型糖尿病 昨年の第63回 日本糖尿病学会でこういう症例が報告されています. 短期間の減量により耐糖能の改善が糖負荷試験で示された一例第63回 日本糖尿病学会年次学術集会2P-57-4 50代後半の女...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[9] 誰も気づかなかったのか

【以下の記載は,Wagner論文の内容紹介ではなく,しらねのぞるば個人の推論(=暴論)ですので,そのつもりでお読みください】 危険なSIRD 糖尿病予備軍の段階では,たしかに多少血糖値は高いものの,HbA1cもそれほど悪くない...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[8] SIRDは糖尿病ではない?

Ahlqvist博士が提案した 『2型糖尿病には4つのクラスター(=異なる4つの病気)が存在する』という説では,比較的軽度のもの(MARD,MOD)と 短期間に重症化しやすいもの(SIDD,SIRD)とに二分されます. SIDDに...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[7] 糖尿病発症に至るまで/発症後

糖尿病予備軍の段階で 既にクラスターに分かれているのであれば,もしもその人達が糖尿病を発症した場合に,Ahlqvist分類のどのクラスターに対応するのかどうかは,気になるところです. その対応が Wagner論文のSupplemen...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[6] ドイツと英国の予備軍クラスター

糖尿病の予備軍(=糖尿病リスクの高い人)の段階でも,既に複数のクラスターに分かれているのかどうかを調べた結果が,ドイツのWagner論文として報告されています. 今月のNatureに掲載された最新の論文です. 2型糖尿病 高リスク者...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[5] 先生のいない教室

Data-Driven Cluster分析とは この記事で 荒っぽく説明しましたように; Data-Driven Cluster分析とは, すべてのData同志の相互距離の合計が最小になるようにグループ分け...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[4] 危険な第6クラスター

「2型糖尿病」と呼ばれているものは,実はそれぞれがまったく異なる4つの病気をひとからげにしているだけである,というAhlqvist博士の新説は,欧米の糖尿病医学界に広がりつつあります. 予備軍の段階ですでに違うのでは Ahlq...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[3] 予備軍なら 皆 同じというわけではない

スウェーデンのAhlqvist博士は,従来 2型糖尿病と診断されている人でも,実は4種類(クラスター)の別の病気が含まれていることを明らかにしました. では,このクラスターは,どの時点で見分けられるのでしょうか? 糖尿病になってから...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[2] ワグナー分類

糖尿病予備軍の段階の人達に,Ahlqvist博士と同様にCluster分析を適用するとどうなったかというこの論文の著者は R.Wagner というドイツ/テュービンゲン(Tübingen)大学の新進気鋭の学者です. R.Wagner...
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【続】[2型糖尿病]は存在しない[1] Ahlqvist説は 深まり広がりつつある

『2型糖尿病』というものは存在しない 2018年に スウェーデンのEmma Ahlqvist博士が発表した論文は,世界の糖尿病医学者に衝撃を与えました. この論文は,スウェーデンのScania県で新たに糖尿病と診断されたすべて...